No.315:週刊国際ニュース.Vol.31
明けましておめでとうございます。先週に続いて勝手に独自の視点で語る週刊国際ニュースVol.31を(今週から日曜日)にお届けします!日本だと雰囲気的に国際ニュースがフォーカスされづらいのと、もう少し幅広い地域のニュースを知れたら良いよな・・と思っているのもあって、自分から国際ニュースを書いてしまおう!と思って始めました。
さて、個人的に旅行していたためニュースをチェックする時間があまりなかったのですが、先週の土曜日(12月26日)から今週の土曜日(1月2日)の間に起きたこととして気になったのは日韓合意実現、イラク軍ラマディ制圧、シリア政権と反政府派の和平交渉実現か、米国で竜巻・洪水発生、ロシア南部で銃撃、欧州各地でテロ警戒、ドバイで大規模火事、サウジでシーア派指導者含む死刑が執行、アフガンでテロ、メキシコで市長が就任翌日に殺害などなどです。
・日韓合意が実現
日韓両国で常に懸念事項となっていた従軍慰安婦問題ですが、28日に協議が合意に達したということです。最終合意ということで、韓国政府は慰安婦支援のため財団を設立し、日本政府は10億円程を拠出するとのことです。日韓国交正常化50年に合わせた形でしょうか。日本人としては韓国の外国でのロビー活動、国連等で議題に挙げられることが控えられていくことは良いことだと思います。日本の立場からすると、日韓基本条約で解決済みの話を蒸し返されている形でもあったので、この最終合意がまた揺らがないようにして欲しいと思うのでした。大晦日には学生が、日本大使館が入居するビルでデモを起こしたりと反発も起きていましたが。
・イラク政府軍、ラマディ制圧
先週からイスラム国戦闘員と激しい衝突が起こっていたイラク中部のラマディですが、今週イラク政府軍は政府庁舎などを制圧し、イスラム国戦闘員が撤退したため、ほぼ掌握したと見られています。イスラム国の拠点だっただけに、イスラム国にとって大きな打撃となりました。
・シリア政権と反体制派の和平交渉、1月25日に開催か
26日に国連の報道官は、内乱が続いているシリアのアサド政権と反体制派の代表による和平会談を1月25日を目標に開催すると発表しました。12月18日に安保理決議が全会一致で採択されていたようです。アメリカ、ロシア、サウジアラビアやイランなどの関係各国の意見が割れないようにすることが和平に向けて重要かなと個人的に思うのでした。
・ロシア南部で銃撃戦、イスラム国が関与か?
29日の夜にロシア南部のダゲスタン共和国で警備隊1人と住民1人が銃撃戦で死亡しました。米国の機関によるとイスラム国が犯行を認めているとのことですが、実際にイスラム国が関与しているとすると、ロシア国内での活動は初めてだそうです。ロシアは、シリアでISに対し空爆を続けているので、こういった事件にはより警戒して欲しいです。また、不良たちがイスラム国という名前を利用することで、暴れる事件も増えていくのではと個人的には警戒しています。人間は誰しも動物的な暴力性を持っていますので。
・ウィーン警察、年末年始のテロに備える
26日にオーストリアのウィーン警察は、友好国の情報機関から欧州各国に対してテロ攻撃が行われる可能性があると警告があったと発表し、そのことから、検問を強化するなど警備強化にあたっていました。隣国ドイツは対テロ部隊「BFE+」を発足し、情報収集などを強化させているようです。またドイツは21日に簡易化していた難民申請手続きを厳格化することも決めました。
・大晦日のミュンヘンでテロ警戒
ドイツ警察は大晦日の深夜から1日の早朝にかけて、ミュンヘンの2つの駅を封鎖したとのことです。具体的な情報はわかりませんが、テロ攻撃の可能性があるため実行されたとのことです。パリやブリュッセルでも花火イベントは中止されています。ベルギーでは大晦日にテロを計画した疑いで6人が拘束されていました。また、米国でもNYでテロを計画した人が逮捕されたという情報も入っています。ただ、新年を祝う多くの人が集まる場所で大きな事件が起きず良かったです。
・大晦日のドバイで火事
31日の9時頃にドバイ中心部にあるアドレスホテルで大きな火事がありました。僕もドバイにおり、カウントダウンイベントに行っておりました。「遠くから見ていて煙がすごいな、何かのイベントが行われているのか?」と思っていました。ロシアの友人から「大丈夫か?」と連絡がありましたが、最初は何のことかよくわからず、それが火事によるものだと後から気づくのでした。15人が軽傷、1人が混乱による心臓発作で死亡したとのことです。予定通り花火大会は行われましたが、観光客で賑わうドバイモールから外に出る道などは封鎖されていました。
・アメリカ、南部・中西部で竜巻・洪水被害
26日に米国テキサス州ダラス近郊で竜巻が発生し、多くの住宅が被害に遭いました。そのため11人が死亡しました。そして、テキサス州の隣のアーカンソー州で1人、イリノイ州では洪水が発生したため6人が死亡したとのことです。また、クリスマス休暇中に多くの便が欠航し、乗客にも影響を与えました。(被害者数が増えているかもしれません)
・ISがサウジアラビアで蜂起を呼びかける
26日にイスラム国の指導者の物と見られる音声メッセージがインターネットに公開され、サウジアラビアの国民に対して、サウジアラビア政府に対する蜂起を呼びかけたのことです。このブログにも取り上げましたが、12月15日にサウジアラビアは軍事連合を組織し、それについても非難したとのことです。サウジアラビアが名指しをされることはあまりない気がするので、リヤドなどでは十分に警戒してほしいと思うのでした。
・サウジアラビアでシーア派指導者の死刑執行で反発広がる
サウジアラビアで、アルカイダのメンバーら47人が死刑執行されたと2日に発表されました。この中にシーア派の指導者が含まれていたことから、シーア派のイスラム教徒による反発が国内外で起こっています。これによりスンニ派とシーア派の対立が深刻化しないように祈ります。特にイランのテヘランではサウジアラビア大使館を襲撃する事件が起きています。
・アフガニスタンでテロ
1日に首都カブールにあるフランス料理のレストランで自爆テロが発生し、1人が死亡、15人がケガをしました。タリバンが犯行声明を出しています。今月11日に開かれるらしいアメリカ、中国、アフガニスタン、パキスタンとタリバンとの間の和平交渉がうまく進展することを祈ります。アフガニスタンはタリバンによるテロが多いので、ニュースにはあまりなりませんが、これがヨーロッパで起きていたら元旦にテロが起きたということで大きなニュースになるのでしょうね…
・メキシコのテミスコ市長が就任翌日に殺害される
メキシコではメキシコ麻薬戦争とも呼ばれるように麻薬組織による恐ろしい事件が常に起きています。メキシコシティ―近くのテミスコ市で、1日に麻薬組織の一掃を掲げた新市長が就任しましたが、その翌日に武装した男に自宅を襲撃されて死亡しました。麻薬取引の問題を解決するのは、まるで他の国に対応する外交のようにメキシコ政府にとっては難しい問題に見えます。
★今週の個人的に興味深かった記事を紹介します
16日に中国政府はマナーの悪い中国人観光客をブラックリストに登録し、実名とその問題行動を公開したとのとことです。これは中国政府にしかできないパワープレイだなと思うのでした。一部の中国人観光客のマナーの悪さは、日本などでネタにされがちですが、観光客の人数も増加すると、「妻が支払い前にアイスクリームを食べたことを注意されて、夫が逆切れして店員を殴るくらい変な人」は出てくるだろうなと思うのでした。
僕も北京を歩いている時にぼったくろうとしてきた商売人に反対していたら、逆切れされたのを思い出しました。おじさんだったので弱かったですが、手を出してきたのはびっくりしましたね。このように中国人は人数が多い分、ネタにされやすいから真面目な人にとってイメージが悪くなるので大変ですね。
以上、国際ニュースでした。今年もよろしくお願い致します!
※微力ながら極東、中東、ヨーロッパなどの国際関連ニュースの簡単な解説を個別にも行っております。質問や国際情勢に関して興味がある方はこちらから、基本的なことでお構いませんので、ご連絡くださいませ。また万一に情報に誤りがある場合もご連絡いただけると幸いです。記事のリンク先の有効期限切れにはご了承ください。
RYOJI