世界の記述

タイトルはマルコポーロより。旅行を主とした日本と世界に関するブログです。たまに政治・経済もあり。

No.290:週刊国際ニュース.Vol.23


Yesterdays news

(Mick Baker)rooster

 

こんにちは。先週に続いて毎週土曜日は独自の視点と勝手な解説付きの週刊国際ニュースVol.23をお届けします!日本だと雰囲気的に国際ニュースがフォーカスされづらいのと、もう少し幅広い地域のニュースを知れたら良いよな・・と思い、自分から国際ニュースを書いてしまおう!と思って始めました。今週もよろしくお願いします。

 

さて、先週の土曜日(10月31日)から今週の金曜日(11月6日)の間に起きたこととして大きかったのは、ロシア旅客機がエジプトに墜落、トルコ総選挙AKPが勝利、トルコ軍PKK空爆、日韓首脳会談、中越首脳会談、中台首脳会談開催へ、南スーダンで航空機墜落で自衛隊が回収作業、米中国防相会談及びASEAN国防相会議開催、ミャンマー総選挙始まるなどなどです。今週は特に中国の動きが注目されていたかなと思う今日この頃です。

 ・ロシア旅客機がエジプトに墜落

先週の土曜日にこのブログ記事を更新する際に、このニュースが速報で入ってきました。10月31日にロシアのコガリムアビア社が運行していた旅客機がエジプトで墜落したとのことです。同社は外部的な要因により空中発火をした可能性が高いと述べ、ロシア、エジプト、フランスなど関係国で原因究明が行われています。またイスラム国が犯行声明を出したという情報もあります

 

ロシアはシリアへの空爆に参加し始めているのもあって外交問題に発生しそうな気配がありますが、昨夏のウクライナでの旅客機撃墜事故のように外交問題には発展させず、遺族のためにも原因だけを集中して究明して欲しいと思うのでした。

 

事故に遭ったのはサンクトペテルブルク発エジプトシャルムエルシェイク行きの飛行機でしたが、イギリスの旅客機はこの事件によりシャルムエルシェイクからの離陸を控えていました。そこでイギリス人観光客の多くが取り残されていましたが、11月6日には離陸が認められ165人がロンドンへ向かって出発したとのことです。ちなみにイギリス外相も機内の爆発物による事故の可能性があると述べています。

 

テロの場合はシナイ半島にいるイスラム国傘下の「シナイ州」による可能性が高まりますが、彼らは7月16日にエジプト軍と交戦している組織です。

・エジプトシナイ半島で交戦 16日にイスラム国傘下とも言われる武装勢力「シナイ州」とエジプト軍がシナイ半島の地域で交戦したとのことです。死者は出ていないのですが、内戦という形になりました。このシナイ州とエジプトとの対立は続いていますが、これもまた他勢力と複雑に絡み合い過ぎて、混乱して僕も思考停止しがちな情勢です

週刊国際ニュースVol.7 - 世界の記述  

・トルコ総選挙与党勝利

このブログで6月の選挙の時、先週の大使館前での乱闘事件時でも取り上げましたが、トルコ総選挙が予定通り11月1日に行われました。過半数割れで追い込まれていた与党(AKP)でしたが、今回は単独過半数(316議席)を維持しました。クルド系政党(HDP)は21議席減の59議席となったとのことです。この結果からクルド人が多く住む町では不公平だとして衝突も起きました。トルコは政府が安定している所をアピールしたい所ですが、クルド系武装組織やイスラム国への攻撃を強めていることから、逆に国内テロなどが増える可能性もあります。

 

参考:

時事ドットコム:与党、過半数を回復=「安定」選択、また単独政権−トルコ総選挙

・トルコ軍PKK空爆

11月2日にトルコ軍がイラク北部にある武装組織クルド労働者党PKK)の拠点に対して空爆を行ったことが公表されました。与党が単独政権を獲得したことで、より強気に対応していくのでしょうか。しかし、トルコは7月末頃からイスラム国やPKKに対して攻撃を強めています。

・トルコ、イラク北部クルド人武装組織を空爆 26日にトルコはイラク北部にある武装組織であるクルド労働者党PKK)の拠点を空爆しました。トルコは前回、2011年に激しい空爆を行っていたようです。実際は表面的にクルド人組織とイスラム国は対立関係にあるが、トルコはどちらかを利用するというようなことはせずに双方ともに正面から攻撃してテロ対策をしています。

No.236:週刊国際ニュース.Vol.9 - 世界の記述

・日韓首脳会談が開催

11月2日にソウルで安倍首相と朴大統領との会談が行われました。日韓関係の改善に向けて会談が行われ、大きなテーマは慰安婦問題でした。個人的には会談の場が設けられたことは良いことだと思いますが、世界的にはインパクトがない内向きの会談になってしまったかなと思うのでした。同時に日中韓首脳会談も行われていました。

・中台首脳会談が開催へ

本日11月7日午後に中国習近平国家主席と台湾(国民党)の馬英九総統との会談がシンガポールで行われる予定になっています。これは初めてのことであることから注目されています。2016年1月に行われる台湾総統選でも国民党の不利な状況が続くと見られ、馬英九総統は在任中に歴史的なイベントを実現させておきたい目的があるとも言われています。中国が台湾の感情を配慮する形になるのかも注目されています。

 

この国民党と共産党国共合作として協力して日本軍と戦いますが、日本軍の中国撤退後の1945年からは国共内戦が起こります。最終的に1949年に共産党は勝利し中華人民共和国を設立、大陸で敗れた国民党は1949年に台湾に逃れて現在に至ります。そして、この両党のトップが初めて会談を行うことになりました。

中越首脳会談開催

南シナ海領有問題で反中デモなどが起こる中、11月5日に習近平国家主席ベトナムのチョン書記長が会談し、関係改善をアピールしました。関係改善のために経済協力を優先することで一致しました。しかし、ベトナムの対中感情は微妙と言った所です。

・南スーダンで航空機墜落

11月4日に南スーダンで首都のジュバ空港から飛び立ったロシア製輸送機が離陸直後に墜落しました。死亡した人数は正確にわかっていない状況ですが、40人が死亡したことは確認されているとのことです。PKO(平和維持活動)として南スーダンで活動している日本の自衛隊はこの空港近くに宿営地があることから、国連から要請を受けたことで現場に派遣され、航空機の破片を片付けるなどの活動をしています。

ASEAN国防相会議開催

ASEAN東南アジア諸国連合)の国防相会議が行われることで、南シナ海に進出する中国に対してどういう姿勢を取るかが注目されました。しかし、ASEANは牽制する動きは見せず、中国に配慮する形を示しました。中国との経済的に結び付きが強いため、アメリカのように強気な発言はできない形となっています。アメリカはこのASEAN国防相会議に参加しており、これにあわせて3日の夜にはカーター国防長官が中国の国防相と会談しましたが、南シナ海に対する立場は両国で対立しており、平行線をたどっています。

ミャンマー総選挙始まる

11月8日にミャンマーで総選挙が行われます。注目は何と言ってもアウンサンスーチー氏です。私もミャンマーを旅行しましたが、色々な店でアウンサン氏とアウンサンスーチー氏の写真が飾ってあるのを見たので支持率は高いだろうなという印象があります。(アウンサンとはアウンサンスーチー氏の父で日本軍と協力してイギリス軍をビルマから追い出すために戦うものの、最終的には日本軍と戦った人物です)注目されるのはこのアウンサンスーチー氏が率いるミャンマー最大野党のNLDの躍進です。元々軍政が強かったミャンマーなので、与党は軍政の流れを組みますが、意外と彼らに対しても支持があることは何となく旅行をしていてわかりました。諸外国ではアウンサンスーチー氏が常にヒロイン的に注目されますが、国民は冷静と言った所なのでしょうか・・

 

★今週の個人的に興味深かった記事を紹介します

japan.cnet.com

Airbnbは民泊の代表であり、サンフランシスコで生まれたサービスです。この記事によると、このサンフランシスコで「自宅を賃貸できる日数の制限を受け入れるべきか」を問う条例案に関する投票の結果、否決されたようです。Airbnbに限らず民泊はこれから色々な形で増えていくと思いますが、特にホテル不足が起こっている日本の都市も規制緩和されていくかどうかが注目される所です。

 

twitter.com

乙武さんのツイートを通して読んだ「当たり前を疑っているか?」に関する記事。乙武さんは「十七条の憲法」の「十八条目」を生徒に考えさたり、単に答えがある問題を問うだけでなく、「なぜそういう答えになったか」を考えさせる教育を重視していると思うので、乙武さんらしいツイートだなと思うのでした。

 

最近イノベーションなどが叫ばれているのか、こういう内容の記事を多く目にします。そのため私は逆に「個人がそんなに意識高く生きなきゃいけないものなのか?」と疑っていたりします(笑)しかし、何も考えずに周り合わせるのは損をすることが多いので、疑うことは大事な思考だとは思います。

 

ちなみに私は乙武さんが述べているランドセルは高学年の頃に止めましたし、集会の時の整列は腹痛によって何とか回避したいと思って放送委員になったりもしたなと自分の小学生時代を思い出すのでした(笑)ちなみに集会の時に整列するのは明治の軍国教育の流れでしょう。世界でうまく列に並ぶことができる人に日本人が多いのも、この教育に影響があると言えます。

 

以上、皆さんは気になるニュースはありましたか?来週もよろしくお願いします。

 

※微力ながら極東、中東、ヨーロッパなどの国際関連ニュースの簡単な解説を個別にも行っております。質問や国際情勢に関して興味がある方はこちらから、基本的なことでお構いませんので、ご連絡くださいませ。また万一に情報に誤りがある場合もご連絡いただけると幸いです。

 

RYOJI 

 

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