No.308:週刊国際ニュース.Vol.29
こんにちは。先週に続いて毎週土曜日に勝手に独自の視点で語る週刊国際ニュースVol.29をお届けします!日本だと雰囲気的に国際ニュースがフォーカスされづらいのと、もう少し幅広い地域のニュースを知れたら良いよな・・と思っているのもあって、自分から国際ニュースを書いてしまおう!と思って始めました。今週もよろしくお願いします。
さて、先週の土曜日(12月12日)から今週の金曜日(12月18日)の間に起きたこととして気になったのはロシアとトルコの関係悪化、サウジで女性議員誕生、ブルンジで内乱、サウジが対テロ連合軍結成、イエメン和平協議始まる、中国でインターネットの国際大会、FRB利上げ、米国トランプ氏が高い支持率、リビア統一政府樹立、産経新聞ソウル元支局長無罪、夫婦同姓規定は合憲に、日本の戸籍制度、スターウォーズ公開などなどです。
・ロシアとトルコの関係は依然として悪化
17日にモスクワで開かれた年次記者会見でプーチン大統領はトルコに対して依然として強硬姿勢を示しています。ロシア人の多くはトルコに旅行し、また二ヶ国間の国際結婚も多いので、高まる反トルコ感情は国際結婚者や旅行会社には苦痛となっていることでしょう。また、プーチン氏はこの記者会見後に保守的な発言が目立つ米国のトランプ氏を評価する一幕も。それはトランプ氏がプーチン大統領とうまく対話をしていく意向を述べているからだそうです。お互いどちらかというと強硬姿勢が目立つ政治家ですが、それが逆にロシアとアメリカの関係がうまいこと改善されたら「複雑怪奇なり」ですね・・。
・サウジアラビアで女性議員誕生
当方、サウジアラビアで地方議会選挙があることを知らなかったのですが、12日に地方議会選挙が行われた結果、初めて立候補が認められていた女性が当選したとのことです。この地方議会は地方の政策を決められる程の権限はないようですが、女性の権利が厳しく制限されている絶対君主制のサウジアラビアでは新しい動きです。これからも、あらゆる局面で女性が声を挙げやすい社会になっていくかもしれませんね。
・ブルンジで軍の施設が襲撃される
(アフリカ中部ルワンダの南にある)ブルンジの首都ブジュンブラで11日に軍の施設が襲撃され、12日に銃で殺害された遺体が多く見つかったとのことです。ブルンジ軍は襲撃に関与した79人を殺害したと述べました。度々、反体制派が警察や軍を襲撃しているため、その弾圧によって治安が悪化しているようです。このブルンジもベルギーから独立後、ルワンダのようにフツ族とツチ族(少数派)の間で抗争が続いていた国です。日本は主にコーヒーをこの国から輸入しています。
・パキスタン北西部で爆発事件
13日にパキスタン北西部で爆発が起き23人が死亡し、スンニ派過激派組織が犯行声明を出しました。この北西部はアフガニスタン国境近くで、シーア派の人が多く住む地域だったことから、スンニ派との争いが続いていたようで、今回の犯行声明ではシリアのアサド政権を支持するシーア派への報復としていることから、政治色の強い犯行となりました。
・サウジアラビア軍事連合結成を表明
15日にテロと戦うことを目的にサウジアラビアは首都リヤドを拠点にした軍事連合を結成したことを発表したようです。イエメン等で間接的に対立しているイランや、他シーア派のシリア、イラクは含まれていませんが、中東含めアジアやアフリカの国も含まれているようです。サウジアラビアは財政難という話をよく聞きますが、今年は特にイエメンへの空爆を重ねているので軍事費の削減も考慮に入れているのでしょうか??
・イエメン和平協議が始まる
イエメンはシーア派武装組織フーシ派と政府のハディ大統領派で内線が続いていました。特にフーシ派はイランから支持を受けていると言われ、またサウジアラビアが2月頃から積極的にイエメンを空爆しているので、両国の間接的な戦争とも考えられていました。そんな中、15日にこのフーシ派とハディ大統領派の和平交渉がスイスで始まりました。僕がフィリピン時代に仲が良かったのはイエメン系サウジ人ですが、彼も複雑にこの情勢を受け止めているでしょう。シリアも含め和平が決まることを祈ります。
イエメン情勢については当ブログの週刊国際ニュース.Vol2.3.5.8.14.17.18.19で追って取り上げていますので、今年の歴史を振り返りたい方は参照していただけると幸いです。
・中国で世界インターネット大会開催
グレートファイヤーウォール(中国政府のネット規制の通称)がある中国で16日に世界インターネット大会が開かれたそうです。習近平国家主席が登壇し、ロシアのメドベージェフ首相も参加したとのことです。政府によるネット規制を批判する欧米諸国はこれには不参加で、習近平主席は「政府のネット管理について他国は干渉すべきではない」として欧米諸国を牽制しました。ロシアや中国などは独自のインターネット網を構築するのではないかという話は聞いたことがありますが、どうなるのでしょう。
・米国トランプ氏の支持を集める
トランプ氏は今年のアメリカの顔と言っても良いほど話題を生み、また物議を醸しだした人だと思います。14日のモンマスという大学が発表した共和党指名争いの世論調査では彼は首位を走り、党内支持率が41%に達したようです。先週、トランプ氏はイスラム教徒の入国禁止を提唱したり、イギリスでは彼の入国禁止運動が起きたりと批判を受けていたと思いますが、その分逆に強い支持も受けているのでしょう。
・シドニー立てこもり事件から1年
昨年の12月15日にISに影響を受けた男が、シドニー中心部のカフェで十数人を人質に取って立てこもる事件がありました。あれから今週で1年が経過しました。カフェから走って逃げる利用者や店員の映像は衝撃的でしたが、銃撃戦により人質と犯人の男が死亡しています。
・米国が台湾へ武器輸出を決定
今週、米国政府は台湾へ総額約18億ドルの武器を輸出する方針を決めたようです。内容はフリゲート艦やミサイルなどのようです。2011年以来のようで、米国による南シナ海へ進出する中国へ牽制とそれによるビジネスと言った所でしょうか。
・アメリカ中央銀行(FRB)が利上げ
今年は常にこのニュースを聞いた気がしますが、16日に政策金利を0.25%引き上げて、ゼロ金利政策から脱却しました。株価は上昇し、17日の東京市場も取引開始直後から買い注文が広がり日経平均も値上がりしていました。10月末はゼロ金利を維持していました。
雇用の増加が鈍化したとして、FRBは利上げをせずにゼロ金利の維持を決めました。しかし、年内には利上げを行う可能性もあるとか。雇用状況が指標になるのは、金利が安いと企業は資金を借りやすくなるためお金の流れが生まれやすく、結果的に雇用を支えることがあって連動する側面があるからでしょうか。また、FRBの利上げが注目されているのは、(米国企業の返済額が増えるため)株安が進む懸念もありますが、日本人としては円が売られて金利のつく米ドルが買われることで円安が進む懸念の方が強いと個人的には思っています。投資家以外に私たちの生活にも影響する問題でもありますし。
No.287:週刊国際ニュース.Vol.22 - 世界の記述
・リビアで統一政府が樹立へ
2011年にカダフィ政権崩壊したことは記憶に新しいですが、それ以来対立していた2つの組織が、17日に統一して政府を樹立することに合意したようです。国連が仲介にあたりました。しかし、反対派も多く一筋縄ではいかないようです。また、この混乱でイスラム国勢力も拡大しています。
・韓国で産経新聞前ソウル局長が無罪判決
日韓の二カ国間に起こるいざこざのニュースは 慰安婦像の第三国への設置や日本にマイナスとなるような米国議会へのロビー活動などは除いて、あまり注意深く見ていないのですが、このニュースはフッと目に入っていたので取り上げてみます。内容は産経新聞の前ソウル局長が朴大統領の名誉を傷つけたとして罪に問われていた事件になりますが、17日に無罪判決が出たということです。
どういった内容で名誉棄損をしたかは存じていないので詳しくは言えませんが、アメリカ人ジャーナリストが名誉棄損に当たらないと主張するなど、日韓関係やその他の国に対しても影響を与えていることから、裁判所は世論の動きを見たのではないかと有識者から見られているようです。ある程度の名誉棄損は公人である限り避けれられないとは思いますが、表現の自由とは何かということがテーマなのでしょうか。とても政治色の強い裁判に見えました。
★今週の個人的に興味深かった記事を紹介します
日本で夫婦別姓を認めない規定は憲法違反ではないという判決に。僕は結婚経験がないので、「日本人の家への考え方が変わっているのだな」くらいで、あまり注目していないニュースでしたが、調べてみると「世界を標準とした男女平等の観点」から語られている所は個人的にはよくわからない所でした。そもそも戸籍制度は日本(や韓国・台湾)などにある独特な制度です。また日本の結婚制度は農耕時代に由来しています。
それは日本は農耕時代が長く、長男(男)を中心とした家系を大事にしてきた歴史や律令制などの制度から来ているからです。ちなみに殆どの国では家による戸籍制度は無く、もしくは廃止されておりますが、戸籍制度は日本人であることの証明、または重婚・偽装結婚を防ぐものとして特に相続の際に(「血統」を重視した形で)機能していると個人的に思っています。アメリカなどでは個人個人に番号などが与えられています。
ちなみに外国籍で国際結婚している人は日本の戸籍には登録できず公式では夫婦別姓であると思います。そのため、これから戸籍制度そのものを見直す動きなるのではないかとも思うのでした。事実婚や婚外子なども法的な待遇が変わらないようにするように動けば、そもそも夫婦別姓はテーマにすらならないと思っているのですが、戸籍を維持した上でこういった動きがあるのは少し興味深いのでした。男女平等に近い国スウェーデンでは婚外子の割合は50%近くで、多くが当初は「未婚の母」らしいのです。家に対する考え方は世界と比較すると勉強になりますね。
戸籍制度は「家」を中心とした日本人の根強い文化になっているので変えづらいでしょうが、そもそも戸籍制度そのものが良くも悪くも、伝統があり男系が中心の制度になっています。そして、これは他国と簡単に比較できる問題でもありません。それが差別となるならば新たな市民籍みたいなのができると良いのではないかなと思います。それがマイナンバーなんでしょうか・・・?難しい問題です・・
僕はアメリカのハリウッド映画の情報にとても疎く、トムハンクス氏も最近知ったレベルです。顔と名前が一致するのはトムクルーズ氏くらいかもしれませんね(笑)そこで、先日ハリウッド好きの友達に、好きなハリウッド女優を教えてと聞くと、アンハサウェイさんの存在を教えてもらいました。一度も聞いたことがなかったですね(笑)
そうしたら驚かれました(顔を見たら、知っていましたが)このようにスターウォーズも同様に全く興味がないまま育ち、最近ストーリーの流れとして4から見ると良いということも知るのでした。この新しいスターウォーズから見ても面白くないものでしょうか?世界中の友達が何かとこれを話題にしていて興味があるんですよね・・皆さんは観ましたか?
※微力ながら極東、中東、ヨーロッパなどの国際関連ニュースの簡単な解説を個別にも行っております。質問や国際情勢に関して興味がある方はこちらから、基本的なことでお構いませんので、ご連絡くださいませ。また万一に情報に誤りがある場合もご連絡いただけると幸いです。
RYOJI