No.284:週刊国際ニュース.Vol.21
こんにちは。先週に続いて毎週土曜日に勝手に独自の視点で語る週刊国際ニュースVol.21をお届けします!日本だと雰囲気的に国際ニュースがフォーカスされづらいのと、もう少し幅広い地域のニュースを知れたら良いよな・・と思っているのもあって、自分から国際ニュースを書いてしまおう!と思って始めました。今週もよろしくお願いします。
さて、先週の土曜日(10月18日)から今週の金曜日(10月23日)の間に起きたこととして気になったのは、習近平主席がエリザベス女王らと晩餐会、アサド大統領とプーチン大統領会談、カナダがシリア撤退か、フィリピンで台風被害、ドイツでPEGIDAによる反イスラムデモ発生、ケリー国務長官とイスラエル首相が会談、安倍首相が中央アジア各国訪問を開始、モスクワのオウム真理教施設が摘発などなどです。
・習近平国家主席がエリザベス女王らとの晩餐会に参加
20日に習近平主席はエリザベス女王らとの晩餐会に参加しました。イギリス王室や政財界出身の人たちが彼をもてなしました。そして、21日にはキャメロン首相との会談も行われました。イギリスは中国指導のAIIBへ早く参加表明するなど中国との結びつきが強くなっている印象を受ける国です。チャイナマネーの取り込みで利害関係が一致しているのでしょうか。
サッチャー首相時代だったかはわかりませんが、イギリスが不況で日本がバブルだった時に日本企業の誘致などジャパンマネーの取り込みを行っていた歴史も思い出しました。またロンドンのシティは世界からのマネーが転がり込んでいる印象がありますね。
・アサド大統領とプーチン大統領が会談
20日、シリアのアサド大統領がロシアのプーチン大統領を電撃的に訪問し、世間を騒がしていました。アサド大統領は、今月から始まったロシアのシリア空爆に関して感謝の意を表したとのことです。米国、EU、NATOなどはロシアが主張するシリア空爆の正当性に関しては否定的で、この会談によってまた争いが生まれるのだろうなと思うのでした。
イスラム国などによるシリアでのテロに対して戦うというのが、ロシアにしろ、米国にしろ、シリアのアサド大統領にしろ一致している所なのですが、政治的には争っている複雑な状況です。ロシアとしてはシリアのタルトゥース港などの軍事基地を守りたい思惑があると噂されたり、地中海における安全保障上の世界各国の対立がシリアに反映されているからではないかと個人的には思います。
・カナダ、シリアから撤退か
20日にカナダのトルドー次期首相(カナダ総選挙で過半数獲得した自由党党首)と米国のオバマ大統領は電話会談を行ったようです。先日のTPP交渉やテロについて話し合ったということで、AFP通信によると、カナダのトルドー氏側はシリアやイラクから撤退させる方針を米国に伝えたとのことです。
・フィリピンで台風24号上陸
日本は概ね天候が良かった先週末ですが、18日にフィリピン北部(ルソン島など)に台風が上陸して多くの住民が避難したということです。僕はフィリピンとは英語関係で交流があるのですが、首都マニラも良くない状況であるとフィリピン人の知人から聞きました。数年前はレイテ島などで大きな被害が出ていたので、これからの台風に関しても心配です。
・ドイツ、ケルン市長選でレーカー氏が当選
日本人も多く住むドイツ西部にあるケルン市の市長選が18日に行われ、レーカー氏が当選したとのことです。これがニュースとして注目されているのは、17日に反難民の男に彼女は刺される事件があったからです。無所属だが、難民に寛容なメルケル首相(キリスト教民主同盟)からの支援も受けてたことも起因していました。
・メルケル首相、トルコのエルドアン大統領と会談
18日にドイツのメルケル首相はイスタンブールを訪問し、トルコの大統領や首相と会談し、難民に関して協議したとのことです。そこで、難民(不法移民など)の対策に対してトルコに協力を求めたようです。また、メルケル首相はトルコのEU加盟を促す発言もしたとのことです。経済大国のドイツとしては非関税の市場が大きくなるので、EUの拡大は望ましい所かと思いますが、EUの中では意見が合わないだろうなと思うのでした。
・ギリシャ東部の離島に8000人の移民が上陸
UNHCRという難民に関する国連系の事務所によると、19日に8000人がトルコからギリシャ東部の島に上陸したとのことです。ギリシャに行くためには、ほぼ地中海経由となりますが、中東や北アフリカからこの地中海を渡ってギリシャに入国した難民や移民は、今年で50万人を超えたとのことです。また海路のため事故も相次いでいます。多くはドイツやスウェーデンなどを目指すようです。シリアの知人に聞きましたが、移動手段はお金を多く払えばより安全になるらしいです。難民の移動まで色々とビジネスになっているんですね・・
・ドイツのPEGIDAによる大規模な反イスラムデモが発生
10月19日に反イスラム運動を行う組織(PEGIDA)がドレスデンで大規模デモを行ったとのことです。12日にはドレスデンで2万人を越える人が集まるデモを行っていたようでした。個人的なドイツ在住の唯一のドイツ人の友人はドレスデン出身です。その友人もFacebookでこのデモに関する記事をシェアしていました。ライプチヒやドレスデンなどのドイツ東部はこの気が他の地域に比べて強い気がしますね。もちろん、彼らはメルケル首相の難民政策に反対しています。
・ネタニヤフ首相がユダヤ人虐殺について言及し波紋を呼ぶ
現在イスラエルとパレスチナとの衝突が相次いでいます。誤ってイスラエル人が警官によって射殺された事件も今週起きてしまいました。そのようなイスラエル情勢ですが、19日にイスラエルのネタニヤフ首相は、戦時中のユダヤ人虐殺について「パレスチナのイスラム教指導者が1941年にヒトラーに薦めたものだ」と言及して波紋を呼んでいます。歴史の真実は誰にもわかりませんが、今回の問題に合わせた歴史修正主義的なものでもあるため、反発も広がっているようです。
・ケリー国務長官がイスラエルのネタニヤフ首相と会談
22日に米国のケリー国務長官は、イスラエルのネタニヤフ首相とドイツで会談し、今回の問題に対して自制を求めました。しかし、ネタニヤフ首相はパレスチナ自治政府のアッバス議長が暴力を煽っていると譲らない姿勢を示しています。このブログを続けていると国際ニュースをチェックするクセがつき、ケリー国務長官の行動はなぜか注目してしまいますね・・
・ロシア、千島諸島の軍事基地を増強か
22日にロシア国防相は千島列島(クリール諸島)にある軍事基地を増強することを明らかにしました。8月にはメドベージェフ首相は択捉島を訪問しているので、日本との北方領土問題を巡る対立が深まりそうな出来事でした。
・安倍首相がモンゴルと中央アジア5カ国訪問へ
安倍首相は22日、モンゴルに到着し大統領と会談しました。また、トルクメニスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、キルギス、カザフスタンを訪問し、28日には帰国する予定とのことです。水資源に乏しく水不足が問題となりがちな中央アジアですが、石油・ガスなどの資源は豊富であり、日本企業との関係も強化できれば良いなと思い、今回の政府同士も良い会談になることを期待しています。
★今週の個人的に興味深かった記事を紹介します
オウム真理教と称する団体施設がモスクワで摘発されたとのことです。90年代からロシアにおける当団体の活動は活発になっていましたが、サリン事件以降でも、まだこういった動きがあるのだなと思うニュースでした。ロシアには漠然とヨガやマントラなどに興味がある人は一部に多そうですし・・。
20日に国連によって世界中の女性の3分の1以上が暴力を受けた経験があると発表されたのことです。特に男性は手をあげやすいのかもしれませんが、逆のDVもあることから、人間は基本的に暴力的な面を誰しもが持っているのだと思います。男女平等やレディーファーストが進んでいる国でも暴力沙汰が多いのが、それを物語っています。自分も自分が持つ暴力性に関して見直そうと、この記事を見て思うのでした。
以上、皆さんは何か気になったニュースはありましたか?来週もよろしくお願いします!
※微力ながら極東、中東、ヨーロッパなどの国際関連ニュースの簡単な解説を個別にも行っております。質問や国際情勢に関して興味がある方はこちらから、基本的なことでお構いませんので、ご連絡くださいませ。また万一に情報に誤りがある場合もご連絡いただけると幸いです。
RYOJI