No.325:ケルン(ドイツ)にて
こんにちは。先週に引き続き、水曜日は人との出会いを含めた旅コラムを書いていこうと思います。今週は先週水曜日の旅行記の続きになりますが、西ドイツのケルンについて。
ケルンと言えば、西ドイツに位置してケルン大聖堂で有名な都市です。友人曰くケルン大聖堂以外は特に観光する所はないらしい。だからと言って、隣のデュッセルドルフやボンに行く!とケルン人に言うと彼らのプライドに触れるかもしれない。実際に、なぜケルンを観光しないんだ!と冗談で老夫婦に言われた(笑)
かつてドイツは東西に分かれていた歴史を持つが、ケルンと同じノルトライン=ヴェストファーレン州にあるボンが西ドイツ時代の首都で、州都はデュッセルドルフということでケルンは無冠でありながらドイツ4番目の都市という帝王的なプライドがあるのだろう。
イエーナでドイツ人の友人と別れて、フランクフルトを通り越してケルン駅前に到着した。「おぉスタバが混んでいるから大きな街だな」というのが第一印象。また、ケルン駅前はかなり人がいて日本・特に東京の駅を思い出すのだった。
ドイツの友人に紹介してもらった日本人男性と待ち合わせをしていた。紹介してくれたきっかけはただ僕たちが日本人という理由のみ(笑)彼はドイツに暮らして少年などにサッカーのコーチをして仕事をしている。日本人がそれでビザも取得して働けているというのは、すごいことである。
唯一の観光地(と言うと怒られるが)ケルン大聖堂を観た後、車に乗せてもらい郊外へ。美味しいと評判のケバブ屋さんでご飯を食べる。サッカーのことはよくわからないが、日本のサッカー事情と海外のサッカー事情を知ることができて面白かった。日本のサッカー協会は保守的な感じがあるようだった。
個人的に思うのは、ベトナムでイギリスのマンチェスターにあるチーム(マンチェスターユナイテッド?)が試合を行ったりして人気だった記憶があるが、そういう感じで日本のチームも東南アジアなどで試合をやってもっと広まっても良いと素人目線で感じたりもする。例えばカズ選手とか世界的に尊敬されるべき選手であり、サッカー好きで彼の存在を知らない人がいたら勿体ないことだと思うし。
そんな形でサッカーの話が進む。彼はサッカーへの想いが捨てきれずサラリーマンを止めてドイツへ来たとのこと。日本人がプレイヤーになるためにドイツへ留学したり、実際にプロでプレイしている人もいるらしい。サッカーが好きな人からしたら常識かもしれないけど、特に西ドイツはその傾向があるみたいだ。ちなみにデュッセルドルフには多くの日本人とその家族が住んでいることで有名な街で何となく日本人とも縁があるのだろう。
彼はとても苦労をしていて情熱の塊という感じだった。日本人とかドイツ人とかそういう所をすでに越えていて、常にサッカーのことを考えている感じ。世界で頑張る日本人的な番組も嫌いと言うから流石だ。彼はドイツ人の少年達にもサッカーを教えていて、日本人のチームと交流試合などを行っていたことがあったようだが。
日本のように軍隊式の「前へならえ」などの教育がドイツにはないので、並ぶのもグチャグチャらしく、そういった集団行動から教えているようだ。また、自分の子どもを試合に出さないとクレームをつけてくる親にも気苦労しているよう。なので、親をまず教育しているとのこと。
そんな話をして夕食を済ませて彼の住まいへ。郊外にドイツ人夫婦の豪邸があり、この夫婦はケルンに移住しに来ている人に対して有料で部屋を貸しているようだ。彼はここで暮らしていた。部屋に空きがあるので、僕も泊まらせていただくことになった。翌朝、夫婦に挨拶をする。とても心優しそうな人達。
2日後にケルンを発つ時に、他のサッカーの仕事でケルンに来ている日本人と一緒に車に乗って駅まで送っていただいた。僕は彼のチームからドイツ代表が生まれることを期待している。そして、そのドイツ人が幼い頃に日本人コーチに育てられたみたいな形で日本で注目されると嬉しい。
ドイツ以外にもサッカー関係の人とは異国では数人会ったが、サッカーは貪欲に世界で活躍する人が多い業界かもしれないと思うのだった。旅としては、こうしてケルンに来たということは、友人が待っている西の隣国ベルギーへと向かうことは必須になるのであった。
RYOJI