世界の記述

タイトルはマルコポーロより。旅行を主とした日本と世界に関するブログです。たまに政治・経済もあり。

No.355:週刊国際ニュース.Vol.49


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こんにちは。先週に続いて勝手に独自の視点で語る週刊国際ニュースVol.49をお届けします!日本だと雰囲気的に国際ニュースがフォーカスされづらいのと、もう少し幅広い地域のニュースを知れたら良いよな・・と思っているのもあって、自分から日本人に関連ありそうな国際ニュースを書いてしまおう!と思い毎週更新しております。

 

先週はゴールデンウィークで当方も中国に行っていたのでニュースをしっかりと終えなかったため、4月30日から5月14日の間で気になった記事やニュースは、岸田外相訪中、日露首脳会談、日本が比軍に自衛隊機貸与、北朝鮮労働党大会開催、中国人とイタリア人警官共同パトロールの試み、ロヒンギャ族キャンプで火災、メキシコ政府麻薬王を移送、ブラジルルセフ大統領停職、米と北欧がロシア抑止に動く、航空運賃が決まるまでの過程、ロシア中銀総裁が語るなどなどです。

 

newsalt.jp

ゴールデンウィークの日本の外交は活発だったように思います。4月29日から5月1日までは岸田外相が中国を訪問し、李首相と元駐日大使だった外交部長の王毅氏と会談したようです。言わずもがな中国の海洋進出による東シナ海南シナ海問題で関係が悪化している所だったので、次の話し合いをするきっかけを作ったという意味でも良いニュースかなとは思います。民間レベルでは、観光ビザの緩和や旅行客による日本人気は高まっているので、あまり関係は悪化している感じはしません。僕は同じタイミングで中国にいたため、昆明のホテルでこのニュースを見ていました。訪中後の岸田外相の詳細なスケジュールまで伝えており、中国にとってやはり日本の動きは重要なニュースになるのだなと感じました。

www.sankei.com

これまたゴールデンウィーク中の5月6日に日露首脳会談が予定通りソチで行われました。日露関係は改善していく流れだった所にウクライナ問題等が生じて関係が冷え込んでいたため、元に戻す方向の会談になったかなという印象です。北方領土問題に向けて新アプローチという発言をめぐり、ロシアのメディアでは領土を返還するのではないかと憶測を呼んでいるようですね。それに対し外務省幹部はたわごとだと否定しているとのことです。北方領土問題はすぐの解決は期待できなさそうですが、例えばG8の開催は日本による仲介で実現できるのであればロシアのメンツも立てられるし、日本のアピールにもなるので、そちらの方にも進んで欲しいと個人的には思うのでした。また、ロシアの恒例行事でもある、独ソ戦戦勝記念日(5月9日)のパレードでは今回は日本に対するネガティブな発言はしなかったようです。外交とは今の情勢を基準とした単純なものなのですね。

www.sankei.com

ロシアで分与法なるものが成立したようです。分与法は極東への移住促進などを目的にしているようで、希望者にある一定の土地を無償貸与する内容だそうです。記事によると、5年後に私有財産にすることもできるのだとか。6月から一部地域で試行される予定です。ロシアは歴史的にも東へ領土を広げて移民を積極的に行っていった国なので、その歴史の延長線上と言えば延長線上ですが、北方領土付近でのレアメタル発掘に力を入れるなど、日本にとっては面白くないニュースが続きますね。

jp.reuters.com

5月2日に日本は自衛隊の練習機をフィリピン軍に貸し出すことで合意したとのことです。当初は譲渡する予定だったものの、国有財産を無償で供与することや安く売却することは財政法の障害になっていたからとのことです。また、もとより、フィリピンは無償供与を求めていたため、アキノ大統領退任までに間に合わせるために貸し出すという形で折り合いがついたようです。私は軍事的なことに対して詳しくはないのですが、貸し出したものは高い軍事力があるものではないようです。中国の艦船を監視するため、フィリピンは日本や米国によるサポートを望んでいるのが本音なのかもしれませんね。余談ですが、フィリピンの次期大統領を決める選挙ではフィリピン版トランプ氏と言われるダバオ市長が活躍しており、中国に対しても強きな発言をして、国際的にも話題になっております。

www.afpbb.com

記事によると中国人の観光シーズンにあわせてローマミラノなどの観光名所で中国人警官も動員されてイタリア人警官と共同でパトロールするとのことです。近々、北京や上海でもイタリア人警官がパトロールすることにもなるのだとか。警察官の海外派遣は新しい試みで良いことだと思うのでした。

www.afpbb.com

5月3日未明にミャンマー西部ラカイン州にあるロヒンギャ族の避難キャンプで火災が発生して多数の住居が全半焼したとのことです。ロヒンギャ族イスラム教ミャンマー少数民族で、仏教徒との衝突で家を追われていて、こうしたキャンプに生活していたようです。いわゆる難民であり、実際に彼らの中には日本に来ている人たちもいます。人身売買やイスラム国からのスカウトの対象になりやすく、命を軽く見られる人も多いため、人権団体は注視しています。記事によると、こういった宗教対立により経済にも打撃を受けているとのことですので、ミャンマーの闇を解決する日が来ることを期待します。

 

ミャンマー沖を漂流していたバングラデシュ難民が8日ミャンマーからバングラデシュへ送還されました。中にはミャンマーロヒンギャ族も含まれているとのこと。ロヒンギャ族ミャンマーとその隣国のバングラデシュでも立場が弱く、また両国の市民権を持たず、他の東南アジア諸国が受け入れを拒否して多くが海上に漂流していました。 このような立場の弱い人達は犯罪組織に人身売買(難民ビジネス)が行われるのが人間社会の闇ですが、彼らが虐待などによって死亡したとされる「集団墓地」がタイやマレーシアで見つかり波紋を呼んでいます。タイの地元警察や政治家も関与しているなど問題が今出てきているようです。逆に取り締まりが強められることで犯罪組織による彼らの密航ができず、今回のような漂流が続いたようです。東南アジア諸国は難民の受け入れが課題に。

週刊国際ニュース.Vol.2 - 世界の記述

 

japanese.yonhapnews.co.kr

5月8日に北朝鮮で予定通り第7回朝鮮労働党大会が開かれ、3日目に金正恩第1書記は核開発と経済発展を並行する路線を貫くようあらためて求めたとのことです。また、記事によると、情勢に対する一時的な対応策ではないとのことで、これからも北朝鮮は核開発に力を入れると見られ、周辺諸国(主に日本・韓国・米国)としては核ミサイルなどの警戒が必要になるケースが引き続き増えるかもしれません。北朝鮮の技術の進歩も一部では指摘されていますし。

jp.wsj.com

これは予定されていた通りですが、ブラジル上院て12日にルセフ大統領の弾劾裁判を開始することを賛成多数で決定し、ルセフ大統領は職務停止に追い込まれたようです。テメル副大統領がオリンピックも含めた6カ月間代行する予定です。ルセフ大統領の弾劾裁判の結果はどうなるのでしょうか。またこういった一連の手続きのために税金が使われることになりますが、市場としては前よりは安定すると投資家などは判断する流れも出てくると思います。

www.afpbb.com

昨年7月に独房からの脱出の際や、その後の再拘束された際にこのブログでも取り上げたメキシコの麻薬王のグスマン受刑者についてですが、逃亡中にメキシコの女優や米国の俳優と面会していたというのは裏社会を感じさせますね。グスマン受刑者は米国国境近くの刑務所に移送され、また米国の裁判所から身柄引渡し要請が出ているものの1年以上かかる可能性があるとのことです。身柄引き渡しがされる場合、厳重な警備になるのでしょうね。

 

先週は麻薬取引の掃討を掲げていたメキシコ・テミスコ市長が就任翌日に殺害されるという事件が起きました。そのような麻薬組織の問題が根深く存在するメキシコですが、以前脱走していた麻薬組織幹部のグスマン受刑者が8日にメキシコ中西部で銃撃戦の末、再逮捕されたとのことです。今回は2度目の脱獄だったようです。2度目の脱獄には刑務所職員の協力もあったのではないかと言われていました。

No.317:週刊国際ニュース.Vol.32 - 世界の記述

 

www.yomiuri.co.jp

中国共産党の機関紙人民日報は台湾民進党蔡英文女史に対し、現状維持(独立)を示唆していることから改めて批判したようです。アジアと縁のない人達からしたら中国と台湾の違いはよくわからないと思いますが、台湾人が中国人と話すと政治的な話になって面倒ということで、深圳出身とウソをつく台湾人もいるくらい中台関係はデリケートな問題です。最近はWeChatなどもありますし、旅行も容易なので交流も深まっていますが。何より中国人男性からして台湾の女性は良いイメージがあるのだとか。ただ、保守的な台湾人としては外省人(日本統治終了後、大陸から台湾に渡ってきた人達の別称)と言って悪いイメージはまだ根深くあるみたいです。昔の話だとは思いますが。余談ですが、先々週に台湾から中国の福州に行った際、火種である中台海峡は飛ばずに遠回りして温州あたりから大陸上空を飛び福州に行っていたのが印象的でした。

www.nikkei.com

バルト海などにおけるロシアの脅威に対抗するため、米国とデンマークフィンランドアイスランドノルウェースウェーデンの北欧諸国がホワイトハウスで会談を行い、北大西洋条約機構NATO)の強化をすることなどで合意したとのことです。スウェーデンは、昔からロシアの脅威をロシアのクマが来た!という形で表現がされると友人から聞いたことがあるようにロシアは警戒されています。その他、イスラム国や難民問題、クリーンエネルギーの技術開発などで話し合ったようです。

jp.autoblog.com

これは乗ってみたいと思ったので紹介します。ボルボトラックでロサンゼルス国際空港(LAX)とサンフランシスコ国際空港SFO)の間を7時間で結ぶサービスが始まるようです。各個室には充電できる電源、車載Wi-Fi、デスク、コーヒーなど備えられ、荷室にもあるらしい。現在の所、48ドルと安めです。高いサンフランシスコの滞在費も一泊浮かせられるかもしれませんね(笑 )それよりも移動時間もとても楽しくなりそうです。僕も行く機会があったら使ってみようと思います。

 

 ★今週、気になったコラムをご紹介★

www.lifehacker.jp

上記ライフハッカーの記事ではオランダ移住など海外移住に関する情報が豊富だと思いますが、今回紹介するのは日本人視点のUAEアラブ首長国連邦)関する記事です。確かにドバイ含めアラブ首長国連邦は外国人が多いです。個人的なイメージではフィリピン人やインド人が多い印象があります。僕もブラジル人の友達がドバイにいます。巨大ショッピングモールであるドバイモールを歩けば、多民族な人達を見ることができるでしょう。そのため英語も通じます。ドバイに住んでいない旅行者としては、高い割にはサービスがイマイチという所は難点かもしれません。これから暑い時期が続きますが、プールなどに行って快適に過ごして欲しいものです。

gigazine.net

一般的にエコノミークラスでも高い感覚がある航空券について、どのように価格が決まるかわかりやすく説明されている動画の解説記事です。やはりメンテナンス、人件費、税金等が減らしにくいコストという印象を受けましたが、昨今のLCCなど、消費者としては競争による恩恵は受けているのだなという印象です。ただ、日本の場合は二大巨頭の守りが強く競争が生まれづらいのか他国に比べて高い印象はありますが。また、サーチャージとは具体的に何の費用なのか、ファーストクラスの原価はどれくらいなのかなど中身を色々と知りたくなる記事でした。

jbpress.ismedia.jp

先月モスクワでMoscow Exchange Forumが開催され、ロシア副首相は原油価格回復、ルーブル安による輸出増加も期待できるとロシア経済に対して前向きな発言をしたようです。天然ガスや石油などのエネルギーを筆頭に金融も政府系銀行がシェアを占める所は、政府が強気な景気予想をしているために、ロシア経済の懸念すべき所でもある見方が参考になります。そこで、記事の筆者がロシア中銀総裁に対するインタビューに成功し、総裁自身も政府系金融機関の拡大は問題視しているということがわかる記事になっています。

 

以上です。皆さんが気になったニュースはありましたか?次週も宜しくお願い致します。

 

※微力ながら極東、中東、ヨーロッパなどの国際関連ニュースの簡単な解説を個別にも行っております。質問や国際情勢に関して興味がある方はこちらから、基本的なことでお構いませんので、ご連絡くださいませ。また万一に情報に誤りがある場合はご連絡いただけると幸いです。そして、記事のリンク先の有効期限切れにはご了承ください。

 

RYOJI

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