No.350:週刊国際ニュース.Vol.47
こんにちは。先週に続いて勝手に独自の視点で語る週刊国際ニュースVol.47をお届けします!日本だと雰囲気的に国際ニュースがフォーカスされづらいのと、もう少し幅広い地域のニュースを知れたら良いよな・・と思っているのもあって、自分から国際ニュースを書いてしまおう!と思い毎週更新しております。硬いニュースだけでなく、これからは軽めのニュースも。1年続くでしょうか…
さて、先週の日曜日(4月17日)から今週の土曜日(4月23日)の間に起きたこととして気になったのは、G20閉幕で日米に温度差、熊本・エクアドル西部地震から1週間、ブラジル大統領弾劾下院採択、国連が日本の「記者クラブの廃止」を言及、カストロ議長がお別れ演説、airbnb「脱民泊」宣言、5月に日露首脳会談実現か、ラオスバンビエンのバーガー店、ベルギーの内紛、パナマ文書と大英帝国の終焉などなど。
先週のニュースではありますが、4月15日に日銀の黒田総裁も参加したG20カ国の財務相・中央銀行総裁会議が閉幕しました。パナマ文書流出に関連し、課税逃れ対策に協力しない国には制裁を検討する姿勢も打ち出したようです。タックスヘイブンの国々の経済は大丈夫でしょうか。次に為替に関してですが、円高進行について麻生財務相は「過度の為替変動に対しては適切な行動を取る」とするも、米国の財務長官は「日本は通貨の競争的切り下げは回避すべき」と述べ、温度差も感じられる内容に。中国人民元の切り下げも牽制している所があっての発言だと思いますが。しかし、写真を見ると世界の財務相は男性ばかりなのですね。
4月16日に未明に阪神大震災と同じ強さの本震が起き被害が深刻化しています。僕は募金することくらいしかしていませんし、できませんが、多くの国から熊本にエールが送られています。被災された方や支援している方の無事が最優先で、そして復興が早く進むことを祈ります。九州新幹線が再開し、2011年のCMのように元気を与えて欲しいです。
熊本と同時期にエクアドルのグアヤキルでも大地震が発生しましたが、陸橋が崩れ落ちるなど被害が深刻なようです。刑務所から囚人が脱走したというニュースもあるので、被災者は治安面でも注意が必要となっています。日本への津波の影響はありませんでした。
4月17日にブラジル下院は、ルセフ大統領の弾劾手続きを進めるべきかの採決が開始され、弾劾賛成派が3分の2を越えて次は上院で審議される見通しです。上院での採決は5月上旬に行われるようで、その結果によっては大統領は最長180日間の停職となります。市場も新しいリーダーを期待している所だと思うので、上院の採決時はボベスパ指数がまた上昇しそうだなと個人的に予想しています。
参考)
ブラジル、ルセフ大統領はリオ五輪に向けて行われるギリシャでの採火式出席を見送るようことにしたそうです。そんな彼女は今、野党からの弾劾の危機に直面しているようですが、ルセフ大統領弾劾に向けた支持が増えることで景気回復と財政再建を担う新政権が誕生するという希望的観測から、7日のブラジル株式市場においてボベスパ指数(サンパウロ証券取引所)は世界の主要株価指数の中では最大の上昇となったようです。
No.346 :週刊国際ニュース.Vol.45 - 世界の記述
4月19日に国連の特別報告者が日本の「表現の自由」に対する調査を行っており、記者会見をしていたようです。検閲などがなく日本の表現の自由が守られていることに対しては評価をするものの、日本の報道の自由を巡る懸念は「より深まった」という認識を持っているようです。政府からの独立性が保たれているかを焦点にし、また記者クラブ制度の廃止も求めていたようです。記者クラブは恐らく日本独特なシステムだと思いますが、昨今は一般人からも批判が目立っています。しかし、このような「外圧」で変わっていくかもしれませんね。
4月19日に5年毎に開かれるキューバの共産党大会にて、カストロ前議長が演説して、ここで話すのは最後になるだろうと述べたとのことです。半生を振り返り、告別の挨拶に近い形となりました。話はそれますが、ジャージを着ているので「お?米国製かな?」とチェックしてみるとaddidasでした。(addidasとpumaはドイツの兄弟によって生まれました。)カストロ前議長のニュースを遡っていると最近はよくジャージを着ているのですね。今後も健康に過ごしていただきたいです。
4月19日にAirbnbのCEOがアプリの新デザインの発表を行ったようです。Airbnbはいわゆる「民泊」の仲介プラットフォームを提供している会社ですが、観光案内などを含めたガイドブック的な機能も追加されるようです。部屋を貸すホストが観光案内をするサービスがパリなどから始まるというのは昨年ごろから検討されていた話なので、驚きはありませんが、楽しみです。
現地の人による観光案内を有料で行うサービスになるとしたら、また資格の問題で物議を醸しそうですが、日本では通訳案内士の資格がなくても有料で案内できる動きも出てきているようですね。この資格ができたのは、昔日本人が外国人にぼったくりをして問題になっていたため、という噂も聞いたこともありますが実際はどうなんでしょう。
参考)通訳案内士の規制緩和へ 資格なしガイド観光庁容認|高知新聞
4月20日にプーチン大統領がソチで安倍首相との首脳会談を5月6日に開くことを明らかにしたようです。日本はロシアを国際社会から孤立させず、ロシアとウクライナとの仲介役としても積極的に動いて欲しいですね。ロシアとの北方領土問題に関しては平行線で大きな動きはなさそうですが、進展も期待します。ちなみに首脳会談が行われる日は日本もロシアも連休があるゴールデンウィーク中です。
シリア北東部で3日間に渡り政府派とクルド人部隊が交戦したとのことです。一般市民と両部隊に多数の死者が出ました。が、無期限の停戦で合意されたようです。シリアは北東部ではクルド人問題を抱え、ISの進行、政権側と反政府派の対立など混沌が続いています。
★今週、気になったコラムをご紹介★
ゴールデンウィークにラオスに行く方もいらっしゃるのではないでしょうか。記事はラオスの中部にあるバンビエンについてです。ここは欧米から来る観光客が多い町で、昔はマリファナのイメージもあったりとヒッピー的な印象を持たれている所です。この記事は、バンビエンにある日本人経営のハンバーガーショップの紹介ですが、僕もこのお店に行ったことがあり、店長と1時間以上話したこともあったのでとても懐かしい思い出が蘇りました。味も最高です!
参考)No.255:バンビエン(ラオス)にて - 世界の記述
テロの温床となったベルギーについての歴史や文化が語られているコラムです。欧州大陸で初めて産業革命が起きたりと工業国としてのベルギーを紹介するのと共に、ベルギーの国内事情について語られています。ベルギーは北部と南部で使用される主要言語もオランダ語やフランス語といった形で違うことから、政治的にも揉めることがよくあるようですね。ベルギーの友人も国内では、くだらない論争をいつもやっていると言っていましたが、ベルギー警察にもそういうフランス語系やオランダ語系の派閥があるようです。
個人的にパナマ文書がリークされたことによってタックスヘイブンについての知識が徐々についてきている気がしますが(恥ずかしながら今までタックスヘイブンではなくヘブンかと思っていました笑)、背景にあるのは大英帝国の歴史です。大英帝国と言えば、史上最も大きな領土を保ち、英語を国際共通語として流行らせたきっかけを作った帝国です。そんな大英帝国領であったカリブ海などの島嶼(とうしょ)国がタックスヘイブンとして機能しています。例えば王室属領であるケイマン諸島は日本でも有名ですが、英国王室も含めて富裕者の財産の回避地となることで、経済を維持してきた面もあるとのことです。詳しくこのコラムに書かれています。そんな大英帝国から続く流れも、税制が変わることで終わりを告げるのかもしれませんね。
以上です。皆さんが気になったニュースはありましたか?次週も宜しくお願い致します。
※微力ながら極東、中東、ヨーロッパなどの国際関連ニュースの簡単な解説を個別にも行っております。質問や国際情勢に関して興味がある方はこちらから、基本的なことでお構いませんので、ご連絡くださいませ。また万一に情報に誤りがある場合はご連絡いただけると幸いです。そして、記事のリンク先の有効期限切れにはご了承ください。
RYOJI