世界の記述

タイトルはマルコポーロより。旅行を主とした日本と世界に関するブログです。たまに政治・経済もあり。

No.296:週刊国際ニュース.Vol.25


Yesterdays news

(Mick Baker)rooster

 

こんにちは。先週に続いて毎週土曜日に勝手に独自の視点で語る週刊国際ニュースVol.25をお届けします!日本だと雰囲気的に国際ニュースがフォーカスされづらいのと、もう少し幅広い地域のニュースを知れたら良いよな・・と思っているのもあって、自分から国際ニュースを書いてしまおう!と思って始めました。今週は時間を作るのが難しかったです…よろしくお願いします。

 

さて、先週の土曜日(11月14日)から今週の金曜日(11月20日)の間に起きたこととして気になったのはパリ郊外で銃撃戦、ロシアが航空機墜落の原因をテロと断定、フランスとロシアが異例の連携でシリアを攻撃、フランスがイラク空爆も検討、G20サミット開幕と3匹の猫が侵入?、APEC首脳会談開幕、イランでイスラム国関連組織摘発、マリで再びホテルで襲撃事件などなどです。

・パリ郊外で警察とテロリストが銃撃戦

先週このブログを更新した日にパリでテロが起き、確認が取れた死者の数が増えて大きな同時多発テロ事件だったことが今週にわかってきました。また、18日の未明にはパリ郊外のサン・ドニで首謀者と見られる容疑者を拘束するためアパートで銃撃戦となりました。女が自爆、男一人が手りゅう弾などで死亡しました。女は首謀者の親族とみられています。この作戦は警察とその家族も心配しただろうなと思います。

・フランス政府、非常事態宣言を3カ月間延長

パリの同時多発テロ事件を受け、18日にフランス政府は非常事態宣言を3カ月間延長したとのことです。また捜査権限を強化する法案が可決され、テロに関与している可能性のある特定の人物に対して、警察が捜査を行える権限の範囲を広げたようです。2月までこの非常事態宣言は有効なようです。

・ロシア当局がエジプト航空機墜落をテロと断定し、シリア空爆強化

パリのテロ事件とエジプトのロシア航空機墜落事件は先週も当ブログに書いた同じ内容ですが、先週の段階ではメドベージェフ首相がテロの可能性があると言う状態でした。しかし、ついに政府はテロと断定しました。そして、プーチン大統領は「犯人を必ず見つけ処罰する」旨、述べました。テロとの戦いということでシリアの空爆も強化する方針です。

 

ただ、反アサド政権への攻撃もしているのではないかというのが、アサド政権に対する立場がロシアと真逆の欧米諸国が考えている所でもあります。ちなみにシリア人権監視団の20日の発表では、ロシアによる9月30日以降の空爆で1331人を死亡したと言われています。

・フランスとロシア両軍がイスラム国へ空爆

17日にテロを受けたフランスとロシア旅客機爆破を受けたロシアが異例の「連携」をし、イスラム国が首都としているシリア北部のラッカ空爆したとのことです。両国政府はテロを受けて、このタイミングでシリアへ積極的に介入したいという所なのでしょうか。フランスはイラクへの空爆に関しても積極的になっています。

 

日本人が巻き込まれるテロが起こると、アメリカの連合に手を貸したしたからだという形で自国の政府を責める人は日本に多い気がしますが、世界はそこまでの平和的思考を持つ人は少ないのだなとつくづく感じます。つまり、このように報復が口実になるのが当たり前の世界なのだということです。こうして国と国の対立軸がうまれ、あまりニュースを見ていない人々から扇動されていき、結果的に争いは生まれていくのだろうなとも思うのでした。

 

逆にそれくらい決断力がある指導者じゃないといけないという面もあるかもしれません。プーチン氏もそういったリーダーシップがロシア国内で支持率が高い理由だと思うので。しかし、一言で「イスラム国」という統率が取れている全組織的な犯行かも素人にはわかりませんから、個人的にこういうカテゴライズから過剰な差別や憎悪が生まれるので気を付けています。

・G20サミットがトルコ・アンタルヤで開かれる

17日にG20サミットがトルコのアンタルヤで開催されました。パリのテロ事件があったこともあり厳戒態勢で開かれることになりました。オランド大統領はテロ事件のため欠席し、オバマ大統領とプーチン大統領はロビーのような所の椅子で通訳を交えて話しているのが話題になっていたようです。この両国はシリア情勢を最も左右させる国です。大統領だけでは何もできない複雑な状況になっていると思いますが、何を話していたか気になりますね。

 

また、安倍首相はサウジアラビアの国王やドイツのメルケル首相などと会談していました。この厳戒態勢だった今回のサミットでは3匹の猫がセキュリティを抜けて入り込むという、少し微笑ましいエピソードも(以下の動画です)

 

APEC首脳会談がマニラで開催

18日にマニラでAPEC首脳会談が開催され、経済成長を掲げ、またテロの根絶を目指すことで団結したとのことです。ここでは中国の海洋進出は議題に上がらなかったようですが、本日21日からASEAN首脳会談がシンガポールで開かれる予定で、ここで中国の海洋進出に関しては議題に上がる見込みです。これには日米中とASEAN関連の国々が集まります。余談ですが、このAPEC首脳会談に対する抗議デモを解散させるために、フィリピンの警察がケイティ・ペリーの楽曲を大音量で流す異例の作戦に出ていたようです。

・イランでイスラム国関連組織が摘発

18日にイラン当局がイスラム国関連組織を摘発したとのことです。場所はイラクとの国境近くで行われたとのことです。僕はイランに行く予定がありましたが(行けなかったのですが)、イランでイスラム国が活動したら、もうどこも防ぎようがないなと思っていて、少し他の近隣諸国に比べて安心している所がありました。しかし、実際には全土でテロの実行を準備していたとイラン当局は述べてたので僕の知識不足だったかもしれません。

・マリでホテル襲撃により大勢が人質に

20日、マリの首都で高級ホテルが武装グループに襲撃され170人が人質に取られ、人質3人が死亡しているとのことです。日本人の宿泊者はいないとのことですが、無事人質の解放を願うばかりです。マリでは8月にも同様にホテル襲撃事件が起こっています。マリの事情については前回にこのブログに記載したので下記も参照していただければと存じます。

・西アフリカのマリで、イスラム過激派とみられる武装集団がホテルを襲撃し、外国人を人質に立てこもる事件が7日に発生しました。8日未明に治安部隊が突入し交戦。マリ軍の兵士、国連スタッフ、過激派のメンバーなどが死亡したとのことです。国連スタッフはウクライナ人、ネパール人、南アフリカ人、マリ人などが犠牲になったと聞きましたが詳しい被害者はわかっていません。外国人を狙った身代金目的の犯行とも見られています。 2013年にフランス軍がマリへ軍事介入したのは記憶に新しいですが、今年5月にはマリ政府と北部マリ武装勢力の和平合意がなされていました。しかし、過激派は活動をここ最近、活発化させているようです。

No.244:週刊国際ニュース.Vol.11 - 世界の記述

 

★今週の個人的に興味深かった記事を紹介します

news.nicovideo.jp

 

パリのテロ事件を受けて14日にFacebookのプロフィールにフランス国旗を加える機能が追加されて追悼の意を示すことができるようになりました。僕はこうして毎日国際ニュースをチェックしているのもあって、毎週どこかでテロが起きているのを知ってるので、周りの反応を見て「命の重さは地域によって違うんだな」と疑問に思って、Facebookのやり方に疑問を呈していた所、友達がこの記事を教えてくれました。「おっ、多くの人もやっぱり同じこと考えているんだ」っと。

 

Facebookではテロが起きたらパリを思い出すみたいな正直軽いノリなので僕が卑屈なだけかもしれません。まず、こうやって疑問を呈すことでフランス人を傷つけているのかもしれませんし。パリを思ってくれて単純に元気になっているフランス人も多いでしょうし。それでいいじゃないですか・・と自分に言い聞かせるのでした。そしてパリ在住の人の無事を知らせる機能が追加されたことは良いと思いました。(パリの友人が無事なことが確認できましたし、良かったです。) 

 

以上、今週で気になったニュースでした。

 

※微力ながら極東、中東、ヨーロッパなどの国際関連ニュースの簡単な解説を個別にも行っております。質問や国際情勢に関して興味がある方はこちらから、基本的なことでお構いませんので、ご連絡くださいませ。また万一に情報に誤りがある場合もご連絡いただけると幸いです。

 

RYOJI 

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