No.279:トゥールーズ(フランス)にて
こんにちは。先週に引き続き、金曜日は人との出会いを含めた旅コラムを書いていこうと思います。今日はトゥールーズというフランス南部の都市について。
僕は年末に衝動的にオーストラリアのシドニーに行ったことがある。前もって安い航空券を購入したのにも関わらず本当に何も計画を立てていなかった。仕事で行けない可能性も十分にあったので。しかし、何とか行けて渋谷に行くような軽いノリで成田空港に向かった。朝に到着して、とても暑かった。向こうは夏。
何も計画していなかったので、どうやって新年を祝おうかと思い(何だかんだ一人で寂しかったです)、宿泊先のホステルを通じて僕と同じく外国人が集まるバーに繰り出して中途半端な英語で話しかけることに。そこで知り合ったのが、このトゥールーズ出身のフランス人カップルだった。
男性が「お~日本人か。フランス人は日本が好きな人が多くて友達も今東京にいるよ。所でトゥールーズは知ってる?」と言う。僕は「トゥール・ポワティエのトゥールのことかな?」男性「???」と言った感じで、僕はトゥールーズという街は知らなかった。
トゥールーズとはフランス南部の街で、町を流れる川の上流にはピレネー山脈がある。また、町の色から友人曰く「ピンクシティー」という愛称も持つ町(実際の色は茶色ですが)。またピレネー山脈とはイベリア半島(スペイン)とフランスの間にある山脈で、そこにはアンドラという小国もある。このアンドラはスキーをしに欧州人が観光で訪れる所。
彼らはとてもフレンドリーで、かつ彼らもどこで新年を祝おうかと考えていたみたいで、旅人のドイツ人とアメリカ人も加えてシドニーの新年の花火を見ることにした。花火の場所取りのために六時間前からスタンバイして、カウントダウンまでお酒を飲んだりした。変な酔っ払いに絡まれ友人の彼女を守りつつも、僕たちも新年を祝いながらアルコールゲームなどをやり散々飲むことに。(野外でお酒が飲める所は限られてます)二日酔いの元旦になった。
それから半年経ち、僕がスペインをぐるっと一周してピレネー山脈を越える前に友人に連絡し、この友人とトゥールーズで再会する調整をしていた。友人「なんなら、うちに泊まりに来なよ!」自分「Merci!でも朝早く着く予定だけど大丈夫かな?」友人「問題なし!」本当に感謝の気持ちでいっぱいだった。持つべき者は友だ。
僕はスペインから夜行バスで行ったのでトゥールーズのバスターミナルに着いたのは朝5時。バスターミナルから中央駅には歩いてすぐに行けた。始発で彼らの家の最寄り駅まで行く。券売機は日本と違いヨーロッパクオリティでコインを何回入れても認識しなかった。同じことがドイツでもあったが、これで無賃乗車として罰金にされたらたまったもんじゃない。
そこで、他の親切な乗客にコインを交換してもらい何とか切符を購入する。対人窓口は朝早くのためやっていなかった。友人の家の最寄り駅にWi-Fiがあると聞いていたが実際はなく、連絡が友人と取れない。そんな時に他の乗客の男性から、「電話したいから携帯貸してくれないか?」と言われる。
いや、「俺も使えなくて今貸してほしい所なんだ。ごめん」と断る。僕もこんなヨーロッパの助け合い文化にすがり、この男性のように、オール明けで少し酔っぱらって歩いていたカップルに話しかけ、僕の友人にSMSを送ってもらうことにした。カップルの男性「トゥールーズへようこそ!」何て粋なんだトゥールーズ人は!・・と思いながら、このカップルからSMSを受け取った友人が待ち合わせ場所に迎えに来てくれた。ハグ!
少し仮眠した後にトゥールーズを散策した。博物館に行ったり。午後からは友人が仕事終えて町を案内してくれた。
(ショッピングモールの屋上から町を眺める。雲が出ていた。)
(メインストリート。意外と大きな町でした。)
フランスは日本の文化に興味がある人がヨーロッパの中でも多い国だからか、このトゥールーズにも日本庭園があった。友人は僕が日本人という理由で案内してくれる。エストニアでも日本庭園に行ったな…笑
(異国で母国を感じました。高校生達が庭園にたむろしていましたが。)
友人の彼女の方がこの日で幼稚園での仕事を離職するようで、最後の仕事を終えて夜に帰ってきた。そして、ブルガリア人の園児から、お別れの手紙と似顔絵をもらっていた。
フランス語は読めなかったので英訳すると、「いつか私の夢でもあるパリに行ってみたい」と書かれていた。友人は、この子は少し貧しい移民の子だと言う。一方で僕はこれから、この園児の夢であるパリに向かうので少し複雑な気持ちにもなるが、目一杯パリを楽しんでくるぞ!と決意する。
そして、夜は友人の友達が家に来るということで、一緒にワインを飲もう!と誘われる。友人の友人の一人が日本に興味があるらしく、日本語の表現をいくつか知っていて親近感が湧いた。
(皆、ありがとう!いつか日本に来てほしい)
この友人とは今も何回かポストカードを送り合ってやりとりしている。そんな感じで友人と別れを告げた後、僕はフランスの首都でもあるパリへ向かうのだった。
ワールドカップのパブリックヴューイングが、このメイン広場で行われるらしい。が、残念ながらフランスは優勝ならず。
人との出会いというのは実に不思議なもの。自分がオーストラリアの大晦日で孤独感を感じて彼らに話しかけなかったらトゥールーズという街すら訪れなかっただろう。ただ僕は、こうやって時の流れに身を任せて旅をするのが好きだと再認識した。今では全てがつながっている気がして。ノリの良さは大事。
皆さんも、この記事をきっかけにトゥールーズに行き、行動して現地の人と交流して新しい世界を知ることができれば幸いです!
RYOJI