世界の記述

タイトルはマルコポーロより。旅行を主とした日本と世界に関するブログです。たまに政治・経済もあり。

不安定な国際情勢の中で


A view from Tokyo Metropolitan Government Building Observation #3

Takashi Hososhima

 

こんにちは。国際情勢を見ていると、片やデキレース感があったり、片や不安定になってきているなぁとも感じている今日この頃です。ここで言う世界というのは、各国政府同士の関係(外交)という意味です。日本の身近な国で言うと、個人的にはアメリカと中国の小競り合いが気になります。

 

直近で言うと、ウクライナ、シリア、イラク政府の変化は一般的にも影響が大きかったと思います。この大きな原因は世界の警察であったアメリカの力が弱まっているからではないかと個人的には思っています。リーマンショックなど色々な要因もあると思いますが、財政赤字でアメリカ自体のパワーが弱くなっているのが一つの理由かなと。

 

世界が所々で不安定だと、安全通貨としてドルの信頼性が高まるメリットもあり、アメリカが世界の諸問題の解決に積極的に乗り出さない方が、今の所は良策となっている一面あるからと勝手に感じています。(今ではドルではなく仮想通貨も信頼性が増していて、また、アメリカ軍が何もしていない訳でもないですが…)

 

このグローバル社会は一つの国に問題があると、次々とその影響が連鎖して本当に共倒れになる世界だと思います。そして、自分の国が生き残って他の国が生き残らないという0・100の関係にはならない時代であるとも言えます。そのような国際社会では、国の仕組みがしっかりしていない所に住んでいる人ほど先に影響を受けるので大変です。

 

つまり、国が崩壊すると国民の生活が真っ先に崩壊します。弱い人ほどその犠牲になり、国が不安定になるイコール自分の生活が不安定になる人が殆どなのが実情だからです。(不安定だからこそ逆をついて得している人もいますが。)しかし、そんな不安定な国でも動き続けているのは、お金の流れ、そしてとの交流です。これはインターネットの後押しで加速しているようにも思います。

  

お金の流れで言うと、内戦が今も続くシリアでは政府発行の貨幣価値が低下していると容易に予想できます。しかし、そこでは米ドルが使われたりとお金のやり取りは続いているでしょう。そこで、予め金などの実物資産を持っている人がいたとしても、立場が弱い人だと、かえって近隣の人や占領軍に襲われて奪われるリスクが高まります。

 

そのため、ただ単純に金目の物を持つことはリスクにつながる場合もあります。そういう点が仮想通貨の普及を促している所なのかもしれないな・・と考えるのでした。。パスワードは頭の中にあり、頭脳こそがお金になるため。

 

次に人の交流に関してですが、お金はなくてもトルコに親戚がいたり、移民を受け入れる保証人になってくれるような友人が世界にいるといったコネクションを持っているシリア人は、この紛争から早く脱出できているのが現状かもしれません。

 

実際に僕はシリアのダマスカスから無事にトルコへ移動したアニメオタクのシリア人と交流をしていたことがありました。その人がシリアにいる時、心配になって「トルコならシリア人のコミュニティがあると思うので、イスタンブールに知り合いがいるか探したら?」とアドバイスしたりしました。日本大使館などシリアにある多くの大使館は現在閉館しているので、難民になると外国政府にも頼れず、個人とのつながりがかなり大事になってきますからね。

 

このような感じで、人と人との信頼関係(人脈)と、いざとなったら信用に変えられるような思考能力(代表的なのが、お金を生む能力や、専門知識)が本当に大事になってくる時代だなと思います。それが天才的にあり過ぎると逆に狙われてしまいますが。

 

いずれにせよ、これからはこういった世界の仕組みをより知る必要はあるなと思っています。なので、自分に子どもができたら、僕は自分が持っている世界に関する知識は早く教えたいですね。子どもが他の国と比較し過ぎて日本を嫌いになって欲しくはないですが、日本だけに捉われる思考も避けて欲しい所です。

 

僕は世界で問題が起こるたびに、自分の人間関係に対して考えさせられます。自分が身ぐるみをはがされた時に手を差し伸べてくれる人はいるのだろうか…と。また人間は自己中な人も多いので、自然と相手の立場で考えられる人は少なく、自分が今まで経験した価値観や思い込みで人を判断してしまいます。特に忙しかったり余裕がなくなったりした時は。

 

しかし、そこで、できる人とできない人で別れるのだろうなと思います。僕は考えていても、うまく行動できなかったりしますが。悪用する人も同時に見極めないといけませんが、中国など競争が激しい国と比べると日本はまだ良い方だと思います。平和で漠然とした仲でも信頼関係を築ける風土はまだあるので。逆に中国は競争相手が多い分、仲間との信頼関係は日本よりも強固で良い面もあると思います。

 

同胞の日本人に限らず世界に目を向けてみても、僕は旅行で多くの人に助けられたと思っています。それは国籍が全く関係ないことを身をもって痛感しています。そのため、自分は逆に旅行客が日本に来たなら良い経験をしてもらいたいと思っています。できれば、人間と人間を結ぶような立ち回りをしたいですね。

 

但し、平和的に臨み過ぎると余計にそれを利用する人と出会う可能性も高くなるので、心の中で皆と信頼関係を作っていきたいと思いつつも、冷静な心を同時に持つこともとても重要になってくるな~と思う今日この頃でした。特に法整備が整っていない日本とは違う世界で頑張っている日本人は尚更のことでしょう。

 

このブログは意外と中央アフリカ周辺を除く世界のほぼ全ての国からアクセスがあるようで、世界中を移動して世界の見たくなかった現状を目の当たりにしてきた日本の方も多く訪れていただいているのではないかと思います。このように国際情勢を知れば知るほど、自国と比較して日本の将来に対しても不安を感じることもあるかもしれません。

 

一方で日本は(災害大国ですが)平和な国であり、古き良き歴史的な文化もあるので、日本生まれの日本育ちとしてはジレンマを感じたりすることもあると思います。僕も日本が好きなので特にそう思います。そのため、その上にある国家の仕組みの変遷は本当に大事なテーマだと思いました。

 

こういった国際情勢への漠然とした不安が世界中に広まると、人間の行動はおかしくなり、結果的に世界情勢や市場に混乱をもたらします。ホラー映画を見た後にトイレへ行くのが怖くなるように。そのような不安を感じることは、それを考える「暇」があるからというのが要因として大きいと思いますが。

 

世界の良い所を知るためには、悪い所も知ることになります。その繰り返しが自分の見識を豊かにし、本質的な良い所をより知ることができると思っています。(というより、そこを大事にしようと余計に思います。)

 

世界にはびこる不安に流さそうになった時こそ、面白きなき「今」に集中して、面白くしたいと思っています。生まれた国や時代や環境に嘆いたり、不確実な明日を不安になっても仕方がないので、ワクワクしたいですね。良いところを見て行きましょう。今どんな国にいたとしても。

 

RYOJI