世界の記述

タイトルはマルコポーロより。旅行を主とした日本と世界に関するブログです。たまに政治・経済もあり。

虚構のグローバル人材


Cafe Milo Amsterdam

Vinicius Rebecchi

 

こんにちは。僕はこのグローバルとかグローバル人材という言葉はあまり好きではないのですが、的確な言葉が見つからなかったので、今日は「グローバル人材」について書いていきたいと思います。

 

これから日本に移民が増えることになるのか、日本の経済が弱まることで日本人の多くが移民して働く時代になるのか、多国籍企業が増えるかなど色々なことが考えられます思いますが、文化的背景が違う人と仕事する際に必要なマインドみたいなのがあるなと思ったので今日は書いていきます。

 

自分は日本生まれ日本育ちの日本人なので、日本人の多くがいかに独特なセンスを持っているかというのがわかります。例えば、第二次世界大戦ではアメリカ人のリーダー、ドイツ人の参謀、日本人の兵隊の組み合わせが世界最強の軍隊だったと言われるように、仕事において日本は下で働く人はとても優秀だと思います。(僕自身はそんなことはないですが…)

 

経営に長けている人に国や文化の差はないですが、日本は接客など直接消費者と関わる仕事のサービスの質はとても良いです。世界標準レベルから考えると少し人件費をあげて欲しいと思うレベルですが、日本はそれが当たり前の文化です。そして、僕たちもお客になると目が厳しくなります。お互いに厳しい人が多いので窮屈な社会になっている所もあります。

 

よく外国に行くと、「本当にこの国はテキトーだな」とイライラしていたり、その国の人を見下す日本人をよく見ます。日本で長く育てばそう思うのは正常だと思いますが、日本の労働環境に慣れ過ぎる前に、一度国外のことを知っておくと、今後色んな人が来る時代になってもイライラは減るのではないかと思います。

 

それは自分がマネージャー職であっても、日本人の部下に求めるレベルで外国人の部下に期待をしない方が良いのかもしれません。それは外国人がレベル低いと言っている訳ではなく、明文化されていないルール(空気)で従うことができる日本人が異常なんだなと思う余裕さが大切だということです。(韓国や台湾は少し日本と労働観は似ている感じはありますが。)

 

経営者や重役はそういうことは言ってられませんが、まず彼らと日本人労働者との違いは家族や恋人や友人との時間を大切にする人の割合が高い所だと思います。僕はそれは素晴らしいことだと思います。客の立場でも、働く立場でも、お互いがそういう気持ちがあれば、いちいち細かいサービスの悪さにイライラしませんからね。

 

また、日本の管理職の人は日本人の部下(特に同性)には厳しいけど、ハッキリ主張したりと文化の違う外国人の部下には少し縮こまってしまう姿が容易に想像できます。そして部下からしても、日本人同士だと上司には正しいことでも主張し辛い空気を感じると思います。主張してその場を通っても後味が悪かったりします。この空気という概念は外国人には理解しづらい独特の文化です。

 

このように日本は協調性を重んじるばかりに、自分と違う人間がいると変な人だなと思う節があると思います。実際に日本人は表面的には考えが同じような人が多いからです。匿名のブログやTwitterなどを見ればわかると思いますが、本当は皆独特で変わり者が多い国なのですが。

 

しかし、これだけサービスもよく、多くの時間働いているのに日本人の労働生産力OECDの先進諸国の中で低く、G7の中では常に最下位です。日本には仕事に対して独特な文化や慣習があったり、投資家が少なかったり、あらゆる申請書に異様に時間がかかったりなどむしろ国際標準にすべき所も多く、外国人と一緒に働くことで逆に無駄を省ける可能性はあるかもしれません。日本人から日本を変えることはかなり難しいくらい成熟してしますから。

 

最後に外国人女性が言っていたことですが、日本人の女性と話し合うと物事が中々決まらないという不満がありました。僕も狭いコミュニティにいる人ほど協調性を重んじすぎて、ハッキリ言わない優柔普段な人は多い印象があります。「Tokyo girl(Ace of Base)」という曲でも「彼らのイエスはノーの意味で、ノーはメイビーの意味になる」とかそんな歌詞だった気がします。

 

それは日本人男性が自分より弱い女性を求めてきた傾向があるからかどうかはわかりません。女性同士が他の国に比べて厳しいのもあるでしょう。そういう雰囲気が嫌いな日本人女性ほど外国に目を向けて日本を去って輝いているのも事実です。そういった日本社会への不満をよく海外在住の日本人女性から聞きました。それは勿体ないことです。もちろん、異国でも日本人同士でコミュニティを作る人はいますが。

 

かと言って、日本人の多くが優柔不断とも言えません。日本人は決めた後にはブレない人が多いので、違う視点からだと優柔不断な人は少ないと言えるかもしれません。そこは日本人の魅力でもあると思います。行動で示す。そのため、それに加えて決断が早い人が増えたらかなり最強だと思います。

 

・・っと長々語ってきましたが、これからは日本人とか外国人がどうのこうのは深く考えないことも重要なポイントだと思います。そうやって考えると変に意識してしまい相手とも信頼関係が築けませんし、「やっぱり俺はアジア人だから勝負するのもアジアだな・・」みたいに自分の活動する国や地域を制限してしまう可能性もあります。

 

グローバル人材というのも、逆に日本という国に捉われ過ぎている考え方と言えるかもしれません。僕たちを「日本人」として縛っている国民国家という考え方も、ここ150年間でできた考え方で、近代化以前は山口県西部の人は長州人、愛知県西部の人尾張人という感覚でした。

 

また、この世の中は多様な人間がいるという事実だけですからね。そして面白い人からは理屈関係なく影響されるのが人間の良い所です。僕も日本人にとってマイナーな国に行く時は不安になって考え過ぎず、目の前にいる人と話すことに集中したいです。

 

RYOJI

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