世界の記述

タイトルはマルコポーロより。旅行を主とした日本と世界に関するブログです。たまに政治・経済もあり。

日本への愛郷心


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 OZinOH

 

こんにちは。身近で愛国心に関して話題になっていたので、今日はこのトピックで書きます。自分が望む未来を考えると国という枠組みはなるべく薄くなって欲しいと思いつつも、僕は日本への愛国心はそれなりに強いタイプです。今は世界何十カ国の人と交流してきてかなり客観的に日本を捉えられるようになってきてはいますが。

 

それは、北は北方領土から南は沖ノ鳥島までといったキッチリとした線引きされた国民国家への愛国心と言う訳ではなく漠然とした文化的なものです。

 

また時々、君が代斉唱問題など愛国心というのは日本国内でもテーマになっています。日本の場合は特に第二次世界大戦への捉え方でそれが語られる傾向が強いように思います。またプチナショナリズムとしてはワールドカップなど日本代表の試合が行われる時など。

 

後者はどこの国も同じですが、前者の場合は日本独特です。特に旅行で近隣諸国を訪れる際は考えさせられることがあると思います。例えば僕が今いるフィリピンではアメリカとのマニラ市街地戦などで多くの人が日本軍により亡くなっています。当時のキリノ大統領はこのマニラ市街地戦で日本軍により家族全員を殺されますが、日本人戦犯を恩赦したことは日本人の罪悪感を促しました。

 

たまたまフィリピンがスペインから独立する歴史を僕は知っていたので、その話をフィリピンの先生に話した時、「よく知っているね。第二次世界大戦の歴史は知っている?」ということになり、あの歴史に関しては日本へ嫌悪感を示していました。こういう話をあまり歴史を知らない状態で聞くとただ日本を嫌いになってしまうかもしれませんね。

 

一方で広島や長崎での原爆のことを考えると、実験要素が高くトルーマン大統領が当時ソ連を牽制するために使用した可能性も高いです。そうやって考えると日本に対してより被害意識しか生まれずアメリカへの嫌悪感が強くなると思います。(ただトルーマン大統領の孫は広島によく訪れてくれていますね。)こんな感じで戦時中の日本を肯定的に見るか、否定的にみるかで愛国心が分かれてきた傾向があったと思います。

 

現状としては、(アメリカのGHQが来たる冷戦に備えて、日本人のアメリカへの敵国意識を無くすために政策を積極的に行ったのもありますが)日本人にとってアメリカは好きな国の一つです。しかし、アメリカの内政干渉や戦争に巻き込まれた他の国ではそう簡単にはならず恨みが残っています。そういった感情が湧かないのが日本人の良い所でもあるとも思います。

 

ISILによって日本人が被害にあった時も、多くの人がISILに報復感情が湧いていないのはとても日本的だと思います。むしろ、危ない所に行ったからだと同胞を攻める人までいるレベルです。原爆を落とされたのも、日本がまだ戦争をしていたからだという意見と同じで国際的な考えからするととても自虐的でもあります。何はどうあれ、殺した方がまず悪いので。

 

しかし、これをポジティブに考えると国際的に時代のかなり先を言っていて、とても活かせることかもとも思います。また、先に自分が間違っているかもしれないと責めるのは中々できないことです。日本が戦争への反省と、自己主張が強くなくても平和な国を維持できた恵まれた国というのもありますが。

 

歴史や問題に無関心なのは論外ですが、日本人はポリシーや意見がないと言われても僕はそういった日本人気質が結構好きです。なんで、こんなことで争っているんだろうみたいに一歩引いて考えられる豊かさが。もちろん、僕も日本人を執拗以上に責めたり差別したりする人がいたら同じ日本人として怒りますが、これは絶対に日本出身者として世界で活きるスキルだなと思います。

 

また、日本が平和で栄えて欲しいと思う個人的なポイントは自然災害が多い国というのがあります。地震や台風で被害に合うと、自然災害だからしょうがないのですが、なぜ日本に住む人だけがこんなに被害に合わなきゃいけないんだと悔しくなりますね。

 

時々日本に住みたいが地震が怖くて嫌だという外国人や、日本は地震があるから海外移住を試みる富裕層の日本人と接すると、少し凹みますが、これが俺らの国なんだ!と日本人としての誇りが増します(過激ですかね?笑)

 

後はきめ細かいサービス、特に飲食店の接客サービス食べ物のクオリティの高さは世界一です。これだけは、自分が日本人じゃなかったとしてもそう思うと思います。そのため、日本で育ったことがない他のアジア出身の人が海外で積極的に日本食屋を出しているのはとても悔しいです。こういったサービスまで含めた飲食店が本当の「日本食」なのに。。。っと。彼らの商売魂は見習わないといけませんが。

 

先日、日本人の先輩からフィリピンで日本料理屋に誘われてご飯を食べました。店員さんは雑談せずしっかり立っていて、僕たちのお茶がなくなったら注ぎに来る。とても日本流でした。僕は正直な所、こういった日本の律儀な所よりも緩い方が好きですが、日本を世界に伝えるという意味ではこういった料理屋が増えて欲しいと思いました。

 

以上、僕は災害が多いのに総合的に平和や豊かさを今の所維持してきた所と、日本の食事について考える時に日本へのモチベーションが上がるという話でした。愛国心というより、文化的な愛郷心という感じですかね。この先に、異国で孤独に何かを行う時にこういった故郷の素晴らしさを思い出してはモチベーションをあげていきたいと思います。

 

皆さんは”日本っぽいこういう所がこの国でもウケると思う!"という物はありますか?


RYOJI