ピサの宿に騙される
(イタリアはピサ)
2014年の夏に入ろうとしていた観光シーズンに僕はイタリアを旅行していました。ホステルもいっぱいで、中々安宿を見つけられないという苦戦続きのイタリアの旅でもありました。
ピサの隣町であるフィレンツェでもホステルが埋まっており、と言ってもホテルはとても高いので、Airbnbで泊まる所を見つけるのでした。そして、そのAirbnbの家で、翌日はピサに行こうと思い、ネットサーフィンをし「Walking street hostel」というサイトの作りもよく、また高くもないホステルを見つけることに成功。そして、フィレンツェからピサまで電車で行くことになりますが、大変なことになるのでした。
フィレンツェからピサまでは電車で1時間から1時間半くらいで行くことができます。駅について真正面の道をまっすぐ進み繁華街へ。住所通りの建物に行くものの、なぜかインターフォンを押すことができません。
でも扉は開いていたのでかろうじて中に入って建物のフロアを上がると、予約したホステルが。しかし、扉が閉まっていて誰も出ない。WiFiのネットワークは拾えるが、パスワードが必要でつながらない。どうしようと思っていると後ろに一人立ちすくむチェコ出身のオジサンが。彼は英語が話せないが素振りで「ここはアウトだ」と言っています。そして、彼は誰かに電話をかけていました。
彼とはボディランゲージや筆談で話し合います。そして、僕が上の階の住民にこのホステルについて尋ねると、「下の階の人は誰も住んでいないよ。」とのまさかの答えが。くそ、はめられた・・実際は存在しない宿なのかもしれない。っと脳裏をかけめぐります。そう言えば、サイトの作りは良かったけど、カード支払いの決済画面は少し怪し目なサイトだったなと思い出すのでした。
そのことをチェコ人のオジサンに伝え、彼は本国の友達に電話してサポートを求めていたので、ここにホステルがあるらしいぞ・・?っと僕に宿を教えてくれる。しかし、またそのサイトが怪しい(笑)その時はすでに僕の中で、ピサの格安ホステルは殆どがあてにならないという先入観ができあがってしまっていました。
で、僕に「ステーティオン!ステーティオン!」っと仕切りに言うチェコ人のオジサン。「ステーティオン」という所にどうしても行きたいみたいだが、何だステーティオンって?と話していると、30分後にステーション(駅)のことだと知る(笑)
埒があかず街をうろうろして探すのも何なので、2人でケバブ屋に行き、店のスタッフからWi-Fiを借りてホステルを片っ端から調べると、合法そうでHostel Pisaという良心的な値段(ドミトリー4人部屋で18ユーロくらい)のホステルがあるということを知る。そして、2人でここへ行こうと決断。Google翻訳に助けられました。
ホステルへ歩いている途中に「所で君はどこの国の出身だ?」と聞かれ「日本」と応えると福島の原発事故を心配し始めるおじさん。「君は?」と聞くと「チェコスロヴァキア」と応える。「チェコとスロヴァキアの地区?」と聞くと、彼は「チェコだけど、あれを分けたのはワシントンのせいで、その括りで考えないよ!」と、独自の考えを持つオジサンなのでした。
そうして、てくてく線路沿いに4分程歩くとホステルが見えてきます。そして、実際にホステルが存在してホッとする2人。チェックインしてWiFiに接続すると、存在しなかった宿から予約していた僕とチェコ人を含む4名宛に「場所が変わったからここに来てくれ。」というメールが届いていた。
僕は「連絡が遅すぎるし信用できないから、自分とチェコ人の分の予約金(デポジット)または当日キャンセル料を絶対に請求するな」と言うことに。チェコ人のオジサンも「チェックイン時間になって言うのはアンフェアだ、あんた達の不法な行為は証拠としてメールに取ってあるから」と言う形で反論をしていました。
何とか僕はデポジットは決済されなくなりましたが、チェコのオジサンは返してもらえたかは不明です。そして、ここのホステルでこんなことあったんだけど、このホステルって実際にどこにあるか知ってる?と受付の人に聞いてみると、
「知らないな。でも、ピサでを合法でやっているホステルはここくらいだよ。他にもあるかもしれないけど、殆どがライセンスを持っていなくて勝手にやっているんだ(税金対策)。だから、時々警察に摘発されては場所を変えて運営をしているのだと思う。すなわち、たまたま君たちが行った宿は摘発された後だったんだと思う」
とのことでした。そのため、皆さんも安すぎるホステルには気を付けてくださいい。Booking.comやAgodaなどの大手サイトにも非合法のホステルが時々掲載されている場合がありますが、口コミがあるので独自サイトの宿よりもまだマシだと思います。
何とか問題を解決しましたが、おかげでぐったり疲れてしまって、ピサに3泊もしてしまいました(笑)
しかし、ドゥオモ広場にあるピサの斜塔はとても綺麗でした。ドゥオモ広場は平和で快適だったので、広場に横になって少し昼寝しました。(物は盗まれないようにして気をつけてください)Pisa San Rossoreという駅が最寄り駅となるそうで、そこから5分程で行くこともできるようです。僕はホステルから20分程かけて歩きました。
皆、同じように斜塔を支える形のポーズで写真を撮ります。これも一種の観光名所ですね。殆どの人はフィレンツェから日帰りで行くと思いますが、時間がある方はピサにも滞在することもお勧めします。ただ宿には気を付けてください。
最後に、出会ったチェコ人のおじさんは、チェックアウト間際に違うアジア人の観光客を僕と勘違いして話しかけていて、関係のないアジアの旅行者に「今回の件に関してメールの交換をしよう!」と尋ねていて笑っちゃいました。あまりアジア人見たことないのかな・・(笑)
TSUYOSHI
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