世界の記述

タイトルはマルコポーロより。旅行を主とした日本と世界に関するブログです。たまに政治・経済もあり。

お金の歴史~物々交換からビットコインまで~


China

David Davis

 

世界の秩序にも言えますが基本的に歴史を学ぶことは、どのようにしてこのシステムが築かれたかを知るために必要な知識を得ることであるとつくづく感じます。例えばいきなり今のイタリアやドイツという国民国家がイタリアとドイツの大地にあった訳ではありません。

 

そして、お金も同じことが言えると思います。「お金」とは基本的に信用を表した単なるツールであることは間違いないですが、僕は小さい頃にお金について教わった事がないので、まだ本質を理解ができていない部分があります。しかし、これを理解していないと本当に投資も出費も失敗を重ねてしまいます。そこで、今日はお金の歴史について、物々交換からビットコインの誕生までを振り返ってみました。

 

自分も副業レベルですが、仕事を少し作っていました。しかし、自分でゼロから「お金」を生み出すのは果てしなく難しいことを知ります。どこか社会的に信用のある企業に勤めて得られる対価や、何か知名度や信頼のある物を仕入れて売るのと比べると本当に雲泥の差。そこでお金とは、今の自分では何かに頼らないと信用が得られないという酷な現実も表しているのだなと実感しました。

 

1.物々交換からお金の誕生

元々、人間は物々交換をして取引をしていました。例えば日本だと何となく想像できるのは、漁師と農家。漁師は獲った魚を農家に売りお米を得て、農家は魚を得るためにお米を売るなどして物々交換が成立していました。

 

しかし、それは両者が欲しい時にしか成立しない取引であり、魚や米のどちらかが余ってしまうケースがあります。そこで生まれたのが「お金(マネー)」に換えるという考え方です。それはコミュニティ内で共通認識として価値があるツールによって交換するもので、当時は貝などを使っていたそうです。(そのため、お金を表す単語に貝の字がつく漢字が多いのだとか)

 

つまり漁師は魚を欲しい人に対して、その信用がある貝(お金)という価値を得ることで魚を売る。そして漁師は魚現物でなくお金によって農家からお米を買うことができる仕組みです。もちろん貝は誰でも簡単に得ることができるため、今より通貨の価値は安定しません。

 

2.金(ゴールド)を担保とした貨幣が誕生

そこで次第に人類が共通して価値のある物として目に映り始めたのが「金(ゴールド)」の価値で、それにより2600年程前に小アジア(トルコあたり)のリディア王国で鋳造されました。さらにアジアを中心に文明が栄え、中国で現在同様の紙幣が誕生します。

 

製紙技術は中国から生まれたという要因もありますが、流通に関しては当時の「」という強い権力と管理による信用の下で紙がお金として利用されていきます。そして、モンゴル帝国時代は、さらに強力な支配力のもと安定した紙幣としてユーラシア大陸全体で発展します。当時アジアを旅したヴェネツィア出身のマルコポーロは、金ではなく単なる紙と物を交換している文明に驚いたそうです。

 

今でも1万円札自体は実際は30円ほどの原価しかかかっていないそうですが、誰もがこれを1万円の価値として見出しています。それは通貨発行権のある日本政府が当時のモンゴル帝国のような安定感があるからできる行為です。

 

余談ですがバンク(銀行)という言葉は、同じ頃の北イタリアから来ているらしいです。それは世界で貨幣経済が発達すると、異なる通貨を交換して手数料を得る両替の商売だったり、利子をつけてお金を貸すという商売も生まれ、現在の金融にもつながっていきました。

 

3.国家によって安定していく通貨

Money
Moyan Brenn

 

日本にいると気づきませんが、モンゴル帝国があったモンゴルでは、かつての面影はなく自国の通貨よりも米ドルの方が信用があるため、米ドルで支払うことができます。破綻したジンバブエも米ドルの方が価値があります。

 

特に安定していると言われる通貨は米ドルを中心に日本円、ユーロ、ポンドなどですが、本来お金というものは社会情勢によって価値が揺れ動くフワフワとした物であることが現状でもわかります。

 

人類が長年、金(ゴールド)を価値がある物として信じてきて、第二次世界大戦の引き金となった植民地主義ブロック経済の反省を経て、戦後には金本位制(ブレトンウッズ体制)が強化され、1ドル(360円)で一定の金で交換できる「兌換紙幣」を前提とした固定相場制の流れが進みます。しかしアメリカのベトナム戦争の赤字などによってドルの国外流出が起こり、米国に対して貨幣と金を交換できる裏付けが持てなくなるニクソンショックが起こります。以降、変動相場制へ移行します。

 

しかし、金の担保がなくても、ドルを中心に貨幣として現在も価値があり続けているのは、ドルが世界中に流出しているのと、金(本当の金なのかは実際の所よくわかりませんが)を保有するアメリカの中央銀行FRBが適切に通貨供給量をコントロールしているだろうという信用があるためとも言われています。

 

4.国を越えた仮想通貨の誕生

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Antana

 

しかし、そのような中で出てきたのがビットコインに代表される仮想通貨で、目に見えない新しい仮想上のお金(発行元がないので通貨というよりゴールドに似た物)をユーザー同士で価値あるものとする考え方です。目に見えない物を通貨として捉えるのは不安ですが、今の通貨でも深く考えると何をもって価値を表しているのか実際はよくわからないフワフワなものです。このインターネットが発達した社会が拍車をかけ、さらにお金の形が変わってきていました。

 

以前、キプロス中国など自国の政府や通貨の価値を信用していない人達が利用しているニュースはよく放送されていました。ビットコインは、中央銀行のような中央で管理する機関は存在せず、ブロックチェーンと呼ばれる全取引台帳を利用者同士で管理できる強固な仕組みが成り立っている所に信用が得られています。

 

ハッカーなどにより、このブロックチェーンの改ざんが起きないように管理するのは、中央機関ではなく複雑な演算を得くマイナー(採掘者)と呼ばれる利用者達です。彼らも、無償ではなくその報酬としてビットコインを貰います。そして、実際の社会では、ビットコインで支払えるオンラインショップも増えており、市場規模も広がっています。

 

ビットコインを現在の中央銀行の如く信用するためには、ビットコインの持つ取引で利用する「公開鍵番号方式」という仕組みと、この「マイニング」が現状どれだけ不正に対応できているかの仕組み、の2つをよく知る必要があると思います。僕は実際よくわかっていないので、現在勉強中ですが、ビットコインウォレット(財布)はすでに持っています。

 

ビットコインのメリットとしては次が挙げられると思います。

・通貨を発行する中央機関が存在しないため、国家の影響を受けない。戦争や政変が起きても自国に捉われず資産を持つこともできる。(例えばキプロス財政破綻キプロス人は影響を受けない。)

 

海外取引において、両替手数料が1%程度で済み、また送金手数料及び受取手数料がかからず国際的な取引が円滑にできる(通常、オンラインで中国の商品を買う場合は手持ちの日本円を人民元に換える両替手数料がかかり、また海外への送金手数料がかかりますが共通のビットコインを使うことで少ない両替手数料のみで取引が可能です)


先日マウントゴックスと呼ばれる交換所が破綻したことで、ビットコインは一時期暴落しましたが、すぐに値は戻り現在もドルとビットコインの取引は沢山行われています。そのため、ビットコインのような仮想通貨は着実に広がっているのは事実なので、よくも悪くも、これからお金の形がまた変わる時代が来るかもしれません。

 

そして、半年前から東京の六本木のお店の前にビットコインATMもできていました。

 

東京、六本木にビットコインATMがお目見え - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

 

これから僕たちは今後お金をどのようにして価値あるものとして捉えていくのでしょうか。お金とはやはり不思議なものだなと感じるのでした。史実に関して誤りがありましたら、ご連絡いただければ幸いです。

 

TSUYOSHI 

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