No.317:週刊国際ニュース.Vol.32
こんにちは。先週に続いて勝手に独自の視点で語る週刊国際ニュースVol.32をお届けします!日本だと国際ニュースがフォーカスされづらいのと、もう少し幅広い地域のニュースを知れたら良いよな・・と思っているのもあって、自分から国際ニュースを書いてしまおう!と思って始めました。
さて、先週の月曜日(1月4日)から今週の土曜日(1月9日)の間に起きたこととして気になったのは、サウジアラビアとイランの関係が悪化、アラブ諸国イランと断交、日韓合意の反発起こる、北朝鮮が水爆実験、リビアでテロ、日英防衛相会談、脱獄した麻薬王再逮捕などなどです。今週からは既存メディアの記事を参照しつつ記載していきます。
小生、先週アラブ首長国連邦の旅行から帰った直後に、この週刊国際ニュースを更新しておりました。その更新直前にサウジアラビアがシーア派指導者の死刑執行を巡ってイランで反発が起きており、先週の記事にすでに記載しましたが、今週はそれがかなりきな臭い状態へとなりました。サウジアラビアがイランとの外交関係を遮断し、それに続いてバーレーンやスーダンもイランとの国交を断絶することを発表したようです。バーレーンでは一部で抗議活動が行われたとも聞きました。私がいたアラブ首長国連邦も一部外交官の人数を削減するよう求めたとのことです。
宗派の対立に国家が絡むと、外交関係にかなり悪影響を及ぼすので、国同士の緊張状態は避けて欲しいと思うものです。特に1月25日にシリアの和平会談が行われますが、サウジアラビアとイランの関係はかなり重要になっていきます。
ドイツは年末に移民に対してパスポートの確認等を厳しくしたことは、先週このブログにも記載しましたが、この記事によると、スウェーデンやデンマークも流入者に対し厳しい措置を始めたとのことです。ちなみにシリア難民の目的地として多いのは圧倒的にドイツやスウェーデンだと、僕は難民の人から直接聞きました。スウェーデンの通貨はユーロではないですが、シェンゲン協定加盟国(移動が自由な圏内)で、EU内の多くの国と同様に自由に入国できます。
記事によると、イラン(テヘラン)にあるサウジアラビア大使館が襲撃されたりと、イランとサウジアラビアの関係は悪化しています。イランとサウジアラビアは石油輸出の観点からも必ずしも仲が良いとは言えず、アメリカなどの欧米諸国も昨年のイラン核合意からイランに対し寛容的になりつつあるので、より両国間で争いが生まれる可能性があると感じています。ただ、直接的な紛争は両国も望んでいないと思います。両国の対立関係はイエメン等他の国に影響する恐れがあるので注視していきたいです。
先週、日韓合意がなされて政府間では慰安婦問題は表面上解決し、前向きに進む形となりました。しかし、色々な国で支援団体が反発しているとのことです。慰安婦の問題の真実はわかりかねますが、日本と韓国という政府間の関係にはもう影響して欲しくなく、前向きに進んでほしい限りです。
6日にイランのザリフ外相がイラクのジャファリ外相と共同記者会見を行ったようです。ザリフ外相は昨年の米国やロシアなどとの間で行われたイラン核合意に対してサウジアラビアはイスラエルと共に反対し、緊張緩和に対して反対する行動を取っていたと批判したようです。しかし、イラクのジャファリ外相はイランとサウジアラビアの仲介をしていく準備があるようです。
イランとサウジアラビアの対立を巡って本日10日にアラブ連盟でカイロにて緊急会合を行うようです。前述の通りイラクのジャファリ外相は仲介する姿勢を示しています。またイラクのアバディ首相も同じくシーア派ですが、スンニ派とバランスを重視しているとのことです。1日に在イラク・サウジアラビア大使館が25年ぶりに再開したりと良好な関係なようで、イラクの動きが重要になる気もします。またイランは、サウジアラビアからイエメンに対して内政干渉していることも追及されそうな所だそうです。イエメンでは昨年からイランに支援をされているとされるフーシ派と軍事介入しているサウジアラビアとで対立が起きています。
この記事によるとカタールは在イラン・カタール大使を本国に呼び戻したようです。バーレーン、スーダン、ジブチなども同様にイランとの外交関係を断行し、クウェートもイランから大使を呼び戻したとのことです。緊急会合で外交関係が改善され、一時的な処置であることを望みます。
6日午前に北朝鮮は初めて水爆実験に成功したとのことです。また昨年のように境界線付近で南北関係が悪化して何らかの衝突が起きないことを臨みます。今回は中国も知らされなかったようで中国も反発しています。そのため、北朝鮮の今後の外交戦略が気になる所です。
7日にリビアで警察の訓練学校に向かうトラックが爆発して50人が死亡したとのことです。そして、イスラム国が犯行声明を出したとのこです。一週間に一度くらいは大きなテロは起きないで欲しいと思うのでした。 リビアは内政が混乱しており、そこにイスラム国が台頭してきた形でしたが、統一政府樹立を目指している所です。
当ブログ過去記事参考)
・2011年にカダフィ政権崩壊したことは記憶に新しいですが、それ以来対立していた2つの組織が、17日に統一して政府を樹立することに合意したようです。国連が仲介にあたりました。しかし、反対派も多く一筋縄ではいかないようです。また、この混乱でイスラム国勢力も拡大しています。
No.308:週刊国際ニュース.Vol.29 - 世界の記述
記事によると、日英は共同軍事訓練を行うことで合意しました。日本からの視点としてはイギリスと中国は昨今親密な関係にあるイメージがありますが、中国の南シナ海進出に関しては表面上、反対しているようで、東南アジアなどにおけるイギリスが守るべき利益が何があるのか気になる所でした。やはり米国との関係でしょうか…?
先週は麻薬取引の掃討を掲げていたメキシコ・テミスコ市長が就任翌日に殺害されるという事件が起きました。そのような麻薬組織の問題が根深く存在するメキシコですが、以前脱走していた麻薬組織幹部のグスマン受刑者が8日にメキシコ中西部で銃撃戦の末、再逮捕されたとのことです。今回は2度目の脱獄だったようです。2度目の脱獄には刑務所職員の協力もあったのではないかと言われていました。
記事によると9日にイランのザリフ外相が「緊張激化は望まない」とし、国連に公表したようです。サウジアラビアの国防相も英エコノミスト誌とのインタビューで、イランとの戦争はあり得ないとの考えを示していたようです。この発言は真意だと思いますが、これは両国だけの問題ではなくシリアやイエメン等にも影響するので他の国の政情に影響させず、本日の緊急会合等で平和的に解決して欲しいと思うのでした。
以上、今週はイランとサウジアラビア関係のニュースが中心になりましたが、皆さんが気になったニュースはございますか?来週も宜しくお願いします!
※微力ながら極東、中東、ヨーロッパなどの国際関連ニュースの簡単な解説を個別にも行っております。質問や国際情勢に関して興味がある方はこちらから、基本的なことでお構いませんので、ご連絡くださいませ。また万一に情報に誤りがある場合もご連絡いただけると幸いです。記事のリンク先の有効期限切れにはご了承ください。
RYOJI