No.283:クスコ(ペルー)にて
こんにちは。先週に引き続き、金曜日は人との出会いを含めた旅コラムを書いていこうと思います。
今日は南米のペルーはクスコについて。クスコは旧インカ帝国の首都として栄え、標高が富士山と同じくらいの高さに位置する街。僕はボリビアの首都のラパスからバスで向かう形で初めて訪れた。(そのため高山病とは無縁でした)
クスコに行く理由はマチュピチュを見たいからだった。あの反射する湖で有名な「ウユニ塩湖」から夜行バスで10時間程かけてラパスに行く。すでにラパスは観光していて、新たに宿を探すのも面倒だったのもあり、ラパスにいるよりもペルーに早く入りたいと思い、朝に着いてすぐに次のバスであるプーノ行きを探した。
(ラパスのバスターミナル)
チチカカ湖という湖がペルーとボリビアの間にあるが、そのボリビア側の観光地のコパカバーナからペルーの国境へ入り、ひとまずペルーのプーノという街を目指そうとした。バスチケットを買うが、何か揉めている様子。
尋ねてみるとデモがあって交通規制がされていてバスが出れない状況なのだと言う。「マジか・・もうラパスから離れたい・・バスで仮眠したい・・」と思っていたので、何とかならないかな・・と思っていたら、運転手が今のタイミングなら行ける!と無理矢理、出発(笑)臨機応変にやってくれるのが日本にはない外国の良い所。
そんなこんなで色々と周って、夜にプーノに着く。バスターミナルには多くのキャッチが来る。アルゼンチン人のカップルと自分は宿を探していたので、オジさんに話しかけられる。値段交渉してWiFiがあるかなどを聞いて、ホテルに泊まることに。そして、3人で車に乗りホテルへ。個室はゆっくりできる・・。
このオジさんからプーノのチチカカ湖を周るツアーの勧誘を受ける。値段的に良かったので申し込むが、そのついでに「プーノからクスコへのバスと、クスコからマチュピチュ行きの電車のチケットを君の旅行代理店で予約できるか?」と尋ねることにした。意外と、このマチュピチュ行きの電車は予約がいっぱいで当日券では行けない可能性もあると噂で聞いていたからだ。(マチュピチュへはクスコを基点に行きますが、マチュピチュの最寄り駅は「アグアスカリエンテス」という駅です)
どうしても、立往生せずに確実にマチュピチュに行きたかった僕は、バックパッカーより一つランクが高い列車の指定席を購入したいと思った。すると、そのオジさんは、「大丈夫!クスコの代理店仲間に伝えておくから」と言うので、僕はプーノにいるうちに全て買ってしまおうと決断。「マチュピチュの山を見たいので左側の窓側の席でお願いね!」と念を押す。
「それでは、クスコのバスターミナルでこの名前の大柄な男がチケットを渡しに行くから、待っておけ」とオジさんから彼の名刺を渡される。先払いなのが少し怪しいが、何となくこのオジさんを信じた。プーノを観光した後は、このオジさんが予約してくれたバスチケットでクスコへ。別れ際にオジさんに、「このバスの便名をクスコで待つ彼へ連絡しておいてくれ!」と言う。
ペルーのインカコーラを飲みながらマチュピチュへのモチベーションを高める。
プーノからクスコへのバスは道も整っており、スムーズに行くことができた。段々と都会になっていくのがわかった。ついに、クスコに着くのか~!とテンションもあがる。そして、夜にクスコのバスターミナルへ到着!
しかし、オジさんが言っていた僕の名前を掲げた大柄の男がいない。色々ぐるぐる回っても発見ができない。「くそ・・やはり騙されたか!!」と、そのオジさんが一気に悪い男に見えてきた(笑)
まず公衆電話で、名詞にかかれた番号に電話をかけようと思い、バスターミナルを周っていた警官に使い方を尋ねる。とても親切に教えてくれた。クスコは観光地というのもあって、警官もあまり横柄ではないのかもしれない。
英語で電話をかけるのは苦手だったが、何とか電話はつながって「(男は)色々な予定があって遅れて来るということ」が何となく理解できた。お・・良かった・・っととりあえず、目印を伝えてバスターミナルで待つことに。
待っている時に、隣がバックパッカーで顔だちも一般的なクスコ人じゃなかったので、旅行者だなと思い話しかける。するとその人はドイツ人女性で、僕とは逆でこれからボリビアに行くと言う。そのため、「この道はどうだったか?」とか色々と聞かれる。こうやって個人旅行者同士は情報交換をしたりするもの。彼女はウユニ塩湖を知らなかったので薦めた。
そして、彼女にマチュピチュについて逆に聞こうとした時に・・「君は日本人の〇〇か!」と若者に話しかけられる。「おう、そうだが、何で名前を知っているの?」「クスコの〇〇から連絡受けた者だよ」と言う。プーノのオジさんが言っていたような大柄な男ではなく、僕と同じで170㎝代の身長であり、また少し怪しむ(笑)
ドイツ人とは別れを告げ、その若者に話しかけると、僕が待ち合わせをする予定だった男の「息子」らしい。「今は用事があって遅れて急きょ俺が来た」とのこと。彼も旅行関係で働いているらしい。「それは良いけど、チケットを渡してくれよ」とマチュピチュ行の電車のチケットを要求する。
「オヤジが持ってるから、オヤジをしばらく家で待とう」「え?そうすると宿を探すのが遅くなるのだが」「うちで泊まれば良い。」と言うので、値段を聞いてみると、あまり高くなく場所も便が良さそうな所だったので、行くだけでも行ってみるかと行くことに。そして、車に乗り込む。
すると後部座席にイカついサングラスをかけた女が座っている。「この女は誰だよ・・」っと、意味のわからないシチュエーションが重なり完全に騙されたなと覚悟を決めたので、この若者がマフィアの部下で、その女はその妻という妄想が広がる(笑)彼は、この子は彼女だと言う。挨拶すると意外とフレンドリー。
家に着くと、お酒とご飯を食べさせてくれる。おもてなし全てが怪しく感じてきたが、友達らしき人も来ていてホームパーティをしていた。担保としてFacebookで友達登録しておこうと交換。写真を見るとなんか普通の感じの人やん。そんな感じで日系人のことや、日本の音楽など色々話す。
ここでボコボコにされて身ぐるみでも剥がされるのかなぁ、だけどかなり良い人なんだが…とほろ酔いながらも腹をくくり、なぜプーノのオジさんは俺を標的したのかなど色々、最悪の事態についても考える。ただギターで弾き語りをして皆を喜ばせて媚びも売ってみた(笑)
「う~会話も弾んだし、楽しいし、酔っぱらってきたなぁ!」と思っていると、ついに男が登場!大きい!!この男だ!!「ごめん、色々と用事があって遅れてしまったんだ。チケットは明日渡すよ」「って、結局まだないんかい!」
翌日、急いでコネを通して買ったのか(笑)、朝に電車のチケットをもらい駅まで車で送ってもらう。電車に乗ってみると求めていた左側の窓際の席じゃなく、右側の窓際で景色がつまらなかった・・
しかし、無事にマチュピチュに行くことができ、マチュピチュから帰る時も彼はクスコで予定通りの場所で待ってくれていた。また、その後に家でご飯も食べさせてくれた。クスコを旅立つ時に、挨拶しようと男に話しかけるが、路上駐車をしていて警察に車を持っていかれた!!と慌てていて、まともに挨拶ができなかった。
以上、結果的に予定通りに事が進んで良かった!というクスコの思い出でした。皆さんは、ある程度の担保は取り、危機予測は十分にして旅をしてくださいませ。人は信用しても信用以上の良いことをしてくれることもありますが、逆に騙してきたりすることの方が多いですからね・・世界標準では。
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