No.255:バンビエン(ラオス)にて
こんにちは。先週に引き続き、金曜日は人との出会いを含めた旅コラムを書いていこうと思います。
タイからラオスを旅する人は首都ビエンチャンを経由して、ルアンパバーンに行く人も多いと思う。僕はこの両都市の間にあるラオスのバンビエンという所に行ったことがある。
噂によるとビエンチャンからバンビエンまでの道はかなり酔うということは聞いていて、実際に距離は180km程度くらいだがカーブも多く3時間かけてビエンチャンからバスに乗っていた記憶がある。まずビエンチャンでホテルや宿を巡回するバスに乗り、観光客がこのバスで一通りピックアップされ、全員で大型バスに乗り換えてバンビエンに向かう形。
僕はバスが迎えに来る前にビエンチャンを自転車で観光していたのだが、途中でペダルが外れて自転車が漕げなくなり、遅刻が確定に。「やばい、これはバスに乗れないぞ」と思い、急きょトゥクトゥク(ジプニー)のようなタクシーを拾い自転車も一緒に乗せて宿へ。余計な出費をしてしまった。
宿へ戻るとイギリス人のスタッフが、「もう、行っちゃったぞ!」と言い「本当?!」と言うと、キャッキャッ笑ってるんで、「大丈夫、また巡回しに来るから大丈夫だ」と言われジョークだったようで一安心。
また、オーナーがペダルの外れた自転車を見て「ナットはどこにやった?」と言うので、「元々ついてなくてさんざんな目に遭ったから、こうして遅れたんだよ・・」と言うと、「OK」と何も問答なく終わり、バスが迎えに来る。バスというよりも、これもトゥクトゥクみたいな形式だった。
まさか、このトゥクトゥクでバンビエンまで行くんじゃないだろうなと思い、車酔いする覚悟を決める。途中色々なホテルで観光客をピックアップし、ドイツ人のカップルが乗ってきて「かなり気持ち悪くなる道らしいね。」と雑談をする。
ちなみに、このバンビエンはヨーロッパの若者が多く行く所で、日本人はそこまで多くない印象。何と言うか、ヒッピー的な感じなヨーロッパの若者が集まる感じと聞いていた。ここで言うヒッピーとは、マリファナの町としての噂があることだ。ピザにマリファナが入っているハッピーピザが出たりするらしい。日本人の若者もここで狂っていたりすることも、あったそうな。犯罪だと思うが。
正直、僕の苦手なタイプの人たちだ(笑)大型バスに乗り換えて60人くらいで一斉にバンビエンへ向かう。意外と道は舗装されていたようで、全く気持ち悪くならずにバンビエンに着いた。バスターミナルの敷地はやけに空港のように広いので何でだろうと調べてみると、ベトナム戦争の際に米軍がここから空爆(いわゆる北爆?)を行った「駐屯地」として利用されていたかららしい。
着いたのは夕方で、このバスターミナルでチラシを配っている人と会い、日本人だとわかる。彼は店のオーナーのようで、僕は翌日の夜に彼の店に行くことにした。世界で頑張る日本人的な番組からインタビューも受けた方のようだ。
町は観光地化していて、料理もそこまでまずくなく、インターナショナルな雰囲気。バナナシェイクがとても美味しかった。そして、マリファナのイメージはなく、とても健康的な町だった(夜中も店はやっていなかったので)。恐らく警察などが摘発しており、あれは昔のイメージだったのかもしれない。そして、安かったホテルに泊まる。ホテルではフランス人の女の子にスタッフと間違えられる(笑)
翌日チュービング(浮き輪)と言われる川下りの遊びをするために旅行代理店にツアーを申し込む。途中で雨が降ったりしたが、すぐに晴れてとても快適な川下りとなった。車で川まで行くのだが、その車で隣には韓国のおじさんがいて、「よかったオジサンも参加する平和な感じなんだ」と安心。しかし、彼は途中でなぜか帰ってしまった(笑)
川下りをする前の岸では音楽が爆音で流れていてクラブみたいになっており、お酒を販売しているカウンターがあった。一杯くらい飲むかとビールを注文する。そして、チューブを渡されて川下りを開始する。
「いや~快適だな~」と思っていると、岸からロープを投げられて、岸に戻される。「え?もうチョービングは終わり??」
この時点で、すでに酔っぱらったアメリカ人の女がいて、浮き輪から起き上がれずに転びそうだったのでその女を引っ張って岸まであがった。「しっかりしろよ・・・」と少しずつ苛立てくる自分(笑)階段をあがっていくと、またお酒を販売している店が。別に買わなくても良いのだが、皆は大分お酒を飲んで盛り上がっている。
(ピンポン玉をカップに入れるゲームはヨーロッパらへんの定番飲み会ゲーム)
僕と同じタイミングでチュービングをしていたドイツ人男性がシャイだったので、彼に話しかけながら次のチューブを渡されるのを待つ。僕はそこまで社交的ではないので、彼とまったり会話。そして、時間が経つとまた川へ。川を下ってクラブみたいな所へ行くというのを繰り返す。
そして、最後は一番大きい敷地にあるジャングルのクラブへ(笑)一緒に行動していたシャイなドイツ人男性がショットを奢ってくれたので一杯飲む。僕はラオスのラオビールを頼んでいた。お酒の価格はラオス価格ではなく完全に外国人価格だ。もうヨーロッパの若い衆がはしゃぎまくっている状態。曲はどこにでも流れている有名曲で新鮮味はない。
雨が降ってきてスウェーデン人の男が何回も転んでいたので助けてあげる。「しっかりしろよ!」と日本語で言った気がする(笑)「さ、サンキュー」と弱々しい男。また、韓国人カップルがいたので話しかけれる。そして、日本人らしきオジサンが一人いたのが不思議だったな・・。
イギリス人が、サッカーが好きで僕が日本人ということを告げると「カガワ!カガワ!」と言って踊り狂う。「意味がわからん・・しかし、もう、この雰囲気を楽しむしかない」と思って僕も踊りまくった。
そして、時間になるとトゥクトゥクに似たタクシーが迎えに来てバンビエンの町に戻される。こうして、チュービングツアーは終わるが、このトゥクトゥク型タクシーは本当に気持ち悪かった(笑)できるだけ人数を乗せたため酸素不足の上、がたがたする道を通るものだから、酔いが余計に回ってとてもきつかったので。
こうして、チョービングを提供している旅行代理店前に着き、そこに停めていたレンタル自転車に乗って、自転車屋さんに行き自転車を返す。そして、ホテルに直行して横になって休憩。その後、体力が回復して予定通り日本人経営の店に行き夜ご飯を食べる。ラオスやこのバンビエンのことを色々と聞く。昔のビエンチャンからバンビエンの道は今と比べてかなり道が悪かったらしい。物流状況も改善しているとのこと。
昔は日本人でマリファナを吸ってとち狂っている若者がいたりして、現地の人のお願いで病院まで一緒に行って対応させられたりと、同じ日本人という理由だけで色々迷惑を被ったこともあるらしい。
この日はスウェーデン人の男2人が酔っぱらって、この日本人経営のお店に落書きを始めていた。この日本人の店長はキレて、このスウェーデン人の男2人からパスポートを取り上げ、翌日に塗り直しに来たら返すという条件で、約束通り翌朝からこのスウェーデン人はペンキで落書きを消しているのだった。
こう書くと一見カオスな町であるが、観光客の質は上がってきている模様。実際に若者だけではなく、中年や高齢者の方にもリラックスしている人もいたように思う。
僕はバンビエンを去る前にお店でバナナシェイクを飲みながら、ウクライナ東部の友人にポストカードを書いていた。(この時、ウクライナ東部は大変だったのか、ポストカードが届いたのは3カ月後)この時に、日本人の旅人に話しかけられる。落ち着いたサラリーマンの方で、写真が趣味だった。つまり必ずしもはしゃぐ人ばかりが来る訳ではなかった・・!
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