世界の記述

タイトルはマルコポーロより。旅行を主とした日本と世界に関するブログです。たまに政治・経済もあり。

お客さん


customer services shoot

Phil Dowsing Creative

 

こんにちは。何かに属する形ではなく、自分から商売することに対して、個人的に少し苦手意識が今まであったのは、お客さんにビビっていた所が原因です。それは何かを売る時のビビりではなくて、お客さんという立場から何かを要求される時のものです。企業に属していると、「会社の決まりだから・・」と何か理由をつけてできないことに対しては謝ることができます。

 

しかし、自分の商売だとそういった言い訳も難しく、ただ、それは「できません」としか言えないのが現実です。ここをどう乗り越えるかが大事だなと最近は思うのでした。お客さんには嫌われたくないので。自分としては何でもやってあげたいという気持ちもありますが、それでは商売は成り立ちません。そこを割り切るのって経験の浅い僕では意外と精神的に難しいものでした・・。

 

特に自分はお客様は神様という感じでガチガチに影響されて育ってたからでしょうか(笑)今の日本はより人に厳しい社会になっている気もするので、僕個人としてはお客の立場になった時は厳しくなり過ぎないようにしていますが。また、同世代は(例えば店員さんには)結構優しい方だと思います。それでも、他の国では、サービスが悪くとも日本よりも対等な関係が築かれていて良い面があるなとも感じます。まず、金額と見合ってるか見合ってないかを自然と判断できている人が多い気がします。

 

自分は外国人相手に仕事をさせていただいていましたが、Hi,Ryoji~ってフレンドリーに言われても、最初はお金を頂いているのでやっぱり「お客様」という感覚が抜けなかったんですよね(笑)しかし、僕はInstagramアカウントを交換したり、パーティに誘ったりしてみました。すると喜んでくれたので、こんなフレンドリーでもお客さんとの関係を築けるんだと勉強になりました。最低限の礼儀は必要ですが、日本でも根っ子はお客さんとも時にはフレンドリーでも良いのかなっと。

 

「客の立場としてのお金の使い方」は人それぞれですが、何となく文化による傾向はあるなと感じます。例えば、コンビニの店員さんに土下座をさせる人や牛丼屋の店員さんに色々と文句を言う人などを見ると、日本では金額は関係なくして、「お客であれば何でも良いサービスを受けられる」と厳しく考える人が一定数いるという所です。

 

例えば、牛丼一杯300円であの店員さんの気遣いや早いサービスはさすがに日本以外では享受できないでしょう。それを日本だけで暮らしていると気付きません。カナダなんかでやったら恐らく倍くらいの価格設定になるんじゃないでしょうか。チップも含めて800円くらいが妥当と考える人がいる国もあるかもしれません。

 

このように、「日本はお金をかけずに良いサービスが受けられる」という他の国にはない良い所がある反面で、自分がサービスを提供する側に立つと、その分働くのが大変なのかもしれません。そのため、コンビニの店員さんに土下座させるような人は、自分が仕事でお客さんや上司に苦労を強いられた鬱憤が溜まって、自分より弱い人にぶつけていることだけなのではと思います。

 

他の国でそんなことを要求したら店員さんから堂々と嫌な顔をされると思います。特にモスクワの地下鉄のオバちゃんなんて、最初から立場が上でしたからね(笑)「今忙しいからチケットは向こうで買ってくれ!」って、その対応はロシア人でもそんなのありかよって思っていますが。ソ連が崩壊した理由がわかったかもしれません。笑

 

ただ、日本で働く人もそこらへんは敏感になってきているのか、コンビニなどで働く人が少なくなっているのが現状のようです。今働いているアジアからの留学生などにとっても割が良くないと思われるようになったら、今の価格で今のサービスを享受できなくなる時がかもしれません・・

 

もちろん、日本人でも電話対応が終わって、「ありがとうございました~!」と電話を切った瞬間に「なんだあの客は・・」みたいな不平をすぐ言う人もいるので、本音の所は一緒でしょう。僕はそれはなかったですが。前職では、大きな企業の法人向けの対応で会社員を相手にしていたので、幸いコンプライアンス意識もある方達が多かったので。むしろ迷惑をかけることが多く反省しています…

 

もちろん、お客さんが会社員でも、会社の経費は自身の給与にも間接的に反映されることなので身銭を切っていない訳ではないですが、個人のお客さんを相手にする場合はより身銭を切っている感覚が先方にあると思うので、そういったサービスに対する愚痴は多いのだろうと思います。そのため、僕は理不尽なお客さんと接した経験は、他の人と比べて無い方だろうと感じています。

 

お客さんとの対等な関係を築くのは何よりも経験が大事なので、そんなことを意識しながら、しばらくは頑張ろうと思う今日この頃でした。また、お客さんと言っても法人や個人など色々な形があるので、変なバイアスをなくして、その担当者だけを見ることを心がけているのでした。

 

RYOJI