世界の記述

タイトルはマルコポーロより。旅行を主とした日本と世界に関するブログです。たまに政治・経済もあり。

言語は思考に影響する


Talking in Languages 2.0
Markus Koljonen

 

こんにちは。この前イタリアの友人と話していて、「意外と気を遣うんだね・・?」と僕が友人に言った瞬間、自分で「そもそも気を遣うって日本の独特の言葉かな?」と突如疑問が湧いてしまい、会話の方向性がずれて、お互いの国の独特な感覚を持つ言葉について話すことになりました(笑)

 

例えばイタリア語のマンマ・ミーア!って感覚は日本語にないですよね。このように、言語圏や宗教圏によって言葉を使う感覚は独特なものがあって面白いです。僕は言語学者ではないので少しボロが出そうですが、今日は言語と思考って関連性があるな~という話を書いていこうと思います。

 

英語は共通語と化しているので、単純にツールとして第三国の人同士で使用している人は多いと思いますが、「ありがとう」という言葉一つを取っても、「有難し」と表し、「これは少し稀な機会で、その機会に感謝をする」というような日本古来の独特なニュアンスから訳されていると思います。

 

イタリアのありがとうにあたる「Grazie」もそういう日本語と同じニュアンスはあるとイタリアの友人は言っていました。「どういたしまして」も「同意」なので、英語で言うと「I agree with~」というニュアンスがあると推測できますが、イタリア語の「Prego」にもそういうニュアンスがあるんだとか。(友人は長年日本に住んでいるので考え方が日本的に変わっている可能性もありますが)

 

「どういたしまして」は、英語だと「You're welcome」と言いますが、「どういたしまして」にしても、英語だと「いいよ!」みたいな感覚に近いと思います。また、ロシア人と英語で話すと「Thank you」と言った後に「Please!」と返ってくることがよくあります。スラブ語圏はお礼に返す時は「Please」って言う感覚なんだ~と、この感覚は直訳ができなくその言語で覚えるしかない所も面白かったりします。

 

日本は歴史的に明治維新と言って、アジアの中でも欧州の先進技術をいち早く導入して発展しましたが、それは明治時代の日本の優秀な翻訳者の力が大きかったと個人的には思っています。例えば、当時中国が日本から逆輸入した漢字として有名な「経済」「人民」「共和国」などの言葉があります。

 

これは恐らく、とある日本人学者が欧州の文献を読んでいる時に、例えば「economicsってなんだ・・でも何となくニュアンス的に「経済」がしっくりくるな・・・」という形で熟語を作っていったのだと思います。彼らのおかげで日本や中国の一般市民が「経済」という感覚を明確に理解できるようになります。なので、今でも僕たちは彼らの感覚や思考に影響を受けている所は少なからずあると思います。

 

「God」にしても「神様」とは少しニュアンスが違うようにも感じますし。一神教ユダヤ教キリスト教イスラム教とは違って「神様」とは神道(やおよろず)的なニュアンスが個人的にはあります。ドラゴンボールに出てくるピッコロの顔をしたあの「神様」も「God」とは訳されず「Shin」と英訳されていました。

 

そのため中東や欧州の人は仏教も「Religion(宗教)」なのでブッダを唯一神として祈る宗教だと思っているかもしれませんね。そもそも「Religion」という単語が西洋的ですが、これを当時「宗教」と訳した日本人は逆に「仏教的」だったんだろうなと何となく感じます(笑)

 

話がややこしくなりましたが、もっとキャッチーなフレーズで言うと、日本語(アジア)で独特なのは「がんばって!」や「おつかれさま!」という挨拶。これを他の語圏の人に直訳してもニュアンスは伝わらないと思います。

 

後は「ありがとう」を「すいません」という感覚で使う人が多いのも日本人らしいと思います。他の国では一般的に「ありがとう(Thank you)」ですが、海外でも控えめな人で「Sorry」と言っていた人と出会ったことはあります。その人は「申し訳ないね。こんな私を助けてくれて」という感覚があって、性格に寄るんだなぁと感じたものです。こういう控えめな人は日本語が考えとマッチするのかもしれませんね。

 

逆に、僕は日本語にない「Thank you」の返答として使う「It's my pleasure(喜んで)」という言葉は個人的な感覚としてしっくりきていて、日本語にあれば良いなと思ったりします。また、くしゃみの後に言う、「bless you」「Thanks」っていうやりとりの感覚は日本語にないので、よくわからないですね(笑)

 

このように今まで英語を機械的に勉強はしていましたが、言語は文化を感じることができるものだと再確認しました。また、考え方は言語という情報によって左右されることも多いのだということ。日本人は色に関する単語が多いので、恐らく色彩に関しては細かく理解できる人は多いでしょう。

 

いつもマイナス思考の人はフッとマイナスな言葉を口に出しているため、知らぬ間に心に影響されているように、発する言葉や単語を変えてみると、自分の性格まで変わってしまうものなのかもしれませんね。モスクワの友達はロシア語で話す時と、英語で話す時と、日本語で話す時で性格や素振りまで変わっていましたから。

 

RYOJI

 

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